ESET Endpoint Security V5.0で致命的な不具合
ESET製品でサポートが終了したものを使用していると環境によってはWindowsにログインできなくなる現象が起きています。
ESET製品がインストールされたコンピューターにおいて、Windows にログインできないなどの現象が発生しています。
◆ 現象
- ekrn.exe が再起動を繰り返す。
その結果、環境によっては以下のような問題が発生する。
Windows にログインできない。
Windows にログイン後、コンピューターがフリーズする。
※ ekrn.exe はESET製品のプロセスです。◆ 対象プログラム
- 以下のプログラムで発生していることを確認しています。
ESET Endpoint Security V5.0◆ 発生日時
- 2020年11月9日 13:40頃~
◆ 問い合わせ件数
- 77件(2020年11月18日 17時現在)
◆ 改善策
- ESET Endpoint Security V5 はすでにサポートが終了しているバージョンになります。そのため、セーフモードにてアンインストールをした後、ESET Endpoint Security の最新バージョン(V7.3)をインストールしてください。
ESET Endpoint Security V5.0は、2020年10月31日でサポートが終了しているのですが、それでも、使い続けたからといって、突然、パソコンにログインできなってしまうと利用者は驚きます。
セキュリティソフトがサポートが終了したあとに、コンピュータウイルスのような動作をしてしまうのです。
これでは、コンピューターを守って欲しくて購入しているのに、コンピュータを攻撃するソフトウェアにお金を出しているようなものです。
今回、ログインできないので何が原因なのかもわからず、問い合わせるといってもどこに問い合わせて良いのかもわかりません。
問い合わせ件数は77件ということなので、そんなに多くないのかもしれませんが、それでも、被害に遭われた方は困ったはずです。
ESET製品の使用許諾契約(EULA)を読んでいますか?
こういう場合に、開発元・販売元は、どのような対応を取ってくれるのか?というと使用許諾契約(以下、EULA)を確認しておく必要があります。
ESET Endpoint Security 5.0のEULAはすでにサポートが終了しているためなのか公開されていませんでしたが、公開されているもので一番バージョンの古い6.0のEULAが公開されていましたので、確認してみました。
11.エンドユーザの表明。
- お客様はエンドユーザとして、明示または暗黙のいかなる種類の保証も伴わず、該当の法律によって許可される範囲において、本ソフトウェアが「現状有姿」のまま提供されていることを認めるものとします。供給者、そのライセンス供給者、関係者、および著作権保有者のいずれも、本ソフトウェアの特定の目的に対する商品性または適合性、および第三者の特許、著作権、商標、またはその他の権利に対する侵害の不存在について、明示または黙示を問わず、一切の表明または保証を行いません。供給者もその他の関係者も、本ソフトウェアに含まれている機能がお客様の要求に沿うこと、または本ソフトウェアが円滑で問題なく動作するということの保証を行いません。お客様は、意図する結果に到達するための本ソフトウェアの選択、および本ソフトウェアのインストール、使用、および本ソフトウェアで達成される結果について、完全に責任とリスクを負います。
12.さらなる義務の否定。
- 本契約で具体的に列挙される義務以外に、本契約が供給者およびそのライセンサーに対して課す義務はありません。
13. 責任の制限。
- 準拠法によって許可される最大限の範囲において、いかなる場合も、供給者、その被雇用者、ライセンス供給者は、どのような態様で発生したものであろうと、契約、違法行為、怠慢、または責任の発生を定めるその他の事実のいずれに起因するものであるかを問わず、本ソフトウェアを使用したことにより、または本ソフトウェアが使用できないことにより発生した、利益、収益、または売上の損失、データの喪失、補用品またはサービスの購入にかかった費用、物的損害、人的損害、事業の中断、企業情報の喪失、特別損害、直接損害、間接損害、偶発的損害、経済的損害、補填損害、懲罰的損害、特別または派生的損害に対し、一切責任を負わないものとします。これは、たとえ供給者、そのライセンス供給者、または関係者がそのような損害の可能性について通知を受けていた場合であっても同様です。一部の国および法律では、免責を認めず、しかし限定された範囲の責任を負うことは許可しています。その場合、供給者、その被雇用者、ライセンス供給者、または関係者の責任は、お客様がライセンスの対価として支払った金額を限度とします。
一切の義務も責任も負わないとするESET社
何が起きても供給者(ESET社)は一切責任を負わず、エンドユーザーが完全に責任とリスクを負うという内容です。どこも、免責に関しては、似たような感じなのですが、
驚いたのは、「更なる義務の否定」と、「違法行為、怠慢」に起因するものであっても、一切の責任を負わないというのです。
ESET社は、ソフトウェアを利用することにより生じたことに対して、違法行為や怠慢が起因であったとしても、一切の義務も責任も生じないというのです。
これに、同意しないとソフトウェアが使用できないというのESETの使用許諾契約です。
僕も以前、ESETのセキュリティソフトは軽くて安全だということで使用していた時期がありましたが、トラブルが発生した時の対応、責任逃れが酷いことがわかり、使わなくなりました。
ESET製品は使用してはいけない
今回、改めて、ESET製品のEULAを見ましたが、良心の欠片も感じられない内容でした。これだと、ESET社に賠償責任を求めても使用許諾契約に同意しているから責任はないと一蹴されておしまいです。
こんなにも一方的で無責任な契約を求める企業のソフトウェアは使用するべきではありません。
今回、社名、製品名を隠さずに書いているのは、詐欺サイトのようなEULAだからです。
今、ESET製品を使用されている方は、こんなEULAを認めて使っていることになります。
おそらく、多くの人は、ソフトウェアをインストールする時に、表示される「使用許諾契約」の内容なんて、ほとんど読まずに、「同意する」を選んで次に進んでいるはずです。米国では、使用許諾契約は読まなくても次に進めるようなものは契約として有効ではないという判決も出ているようですが、日本では、このような場合でも、使用許諾契約は有効に成立したと判断されてしまうので、ESET製品のEULAが成立することになりますので、泣き寝入りするしかなさそうです。
ESET製品は以前のように軽くもありませんし価格もまだ、他製品より安いかもしれませんが年々高くなってきています。
それに、法人向けのボリュームライセンス契約も酷いものです。
仮に1年契約で2020年1月1日に、100ライセンス購入します。
この場合、有効期限は2020年12月31日です。
しかし、2020年12月1日に、インストールするパソコンが増えたのでライセンスを50追加購入した場合の有効期限は、いつになるでしょう?
答えは、2020年12月31日です。
では、ライセンスの価格は何か月分になるでしょう?
答えは、1か月分ではなく1年分です。
理由は、ESET社のライセンス契約は年単位だけだからです。
回避するには、既に購入済みのライセンス契約を先行で更新してくださいというのです。つまり、既に購入済みのライセンスを更新して、有効期限を2021年12月31日までにします。すると追加で購入したライセンスの有効期限も2021年12月31日になります。
ESET社というのは、とことん自社都合の契約なんです。
エンドユーザーのことなんて何も考えていません。
これでも、ESET製品を使いますか?