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トランプ大統領と金正恩委員長との会談はなぜ実現したのか?

史上初の米朝首脳会談

2018年6月12日に、史上初となる米国大統領と北朝鮮委員長による米朝首脳会談シンガポールで開催されました。

これは、歴史的な出来事です。

僕は米国と北朝鮮の首脳会談は実現しないものと思っていました。

ましてや、トランプ大統領、金委員長ですよ?

共に自分の意見を曲げない、相手に合わせるなんてことは、頭にないタイプの2人が歩み寄って会談するなんて絶対にないと思っていました。

何より状況的には米国が譲歩する理由なんてなかったはずです。

だから、トランプ大統領は「ロケットマン」と罵り、金委員長は「狂った老いぼれ」と応酬する言葉の戦争状態になっていたはずです。

会談までの経緯

以下がそのやり取りです。

トランプ大統領は、米国にミサイルを撃ち込める準備は最終段階にあるという挑発だと受け取ったのでしょう。

そのつぶやきに反応するかのように、金委員長は、2017年2月12日、3月6日と続けさまに弾道ミサイルを発射します。

金委員長は、2017年7月4日アメリカの独立記念日弾道ミサイルを発射します。

米国の独立記念日弾道ミサイルの贈り物にはトランプ大統領も苛立ったことでしょう。

  • 金委員長:「独立記念日の贈り物が気にくわないだろうが、送り続けてやろう」

更に金委員長は、2017年7月28日に弾道ミサイルを発射します。

  • トランプ大統領:2017年8月8日「北朝鮮が挑発を続ければ、世界が見たことがない炎と怒りを受ける」
  • 金委員長:2017年8月8日「グアム島周辺の包囲射撃を検討していると」
  • トランプ大統領:2017年8月10日「グアムに何かをすれば、見たことがないことが北朝鮮で起きる」
  • 金委員長:2017年8月14日「米国の様子をもう少し見守る。我々をこれ以上怒らせないことだ」
  • トランプ大統領:2017年8月17日「金正恩は賢い決定をした」

そして時間を置いて北朝鮮は、2017年9月3日に黙って6回目の核実験を行います。

トランプ大統領は、2017年9月19日、国連で「ロケットマンは自殺行為をしている。米国と同盟国の防衛を迫られれば、北朝鮮を完全に破壊せざるを得ない」と演説を行いました。

  • 金委員長:2017年9月21日「前代未聞の横暴非道な、気違いじみたラッパを吹いた。トランプは政治家ではなく、火遊びを好むならず者、ごろつき。言いたいことばかりを言う老いぼれには、行動で示すのが最善」
  • トランプ大統領:2017年9月22日「金正恩は、明らかに狂っている」

もう、子供のケンカで、国のトップのやり取りではないですよね。

ロシアの外相も米朝は「幼稚園児のケンカ」だと呆れています。

暫く、沈黙が続きますが、トランプ大統領がケンカをぶり返します。

まず、2017年11月12日に、原子力空母3隻が日本海で軍事訓練を行い挑発します。

  • トランプ大統領:2017年11月12日「私は彼をチビともデブとも呼びはしないのだが、金正恩が私を年寄り呼ばわりして侮辱するのは何故だろうね」

更に米国は9年ぶりに2017年11月20日北朝鮮テロ支援国家として指定します。

当然、北朝鮮は、2017年11月29日弾道ミサイルを発射します。

そして金委員長の弾道ミサイル完成発言から1年が過ぎ、また、金委員長が新年の挨拶で、以下のようなことを発言しました。

  • 金委員長:2018年1月1日「核のボタンは、常に私の執務室の机の上にある」
  • トランプ大統領:2018年1月3日「私も同じく核のボタンを持っていて、ただ私のははるかに巨大で強力、しかも実際に機能するのだと、彼に教えてやってくれ」

こんな状態で、言葉の戦争が続いているのに、この年に米朝首脳会談が実現するなんて誰が想像できたでしょうか?

状況が変わったのは、2018年2月9日~25日に開催された、平和の祭典である「平昌オリンピック」です。

この場所で米朝が水面下で接触して、会談に向けて動き始めたということです。

  • 金委員長:2018年3月5日「米国と虚心坦懐に対話する用意がある」
  • トランプ大統領:2018年3月6日「北朝鮮との対話で進展があった。世界が待っている!」
  • トランプ大統領:2018年3月8日「米朝首脳会談に応じる」
  • 金委員長:2018年3月25日「非核化の問題は解決できる」

2018年3月末に、米国CIA長官が極秘で北朝鮮に出向いて、正恩氏と会談します。

  • 金委員長:2018年4月20日「核実験中止、実験場廃棄、ICBM試射中止を決定」
  • トランプ大統領:2018年4月20日北朝鮮と世界にとってとても良いニュース。大きな前進だ! 我々の首脳会談を楽しみにしている」

2018年4月27日には、10年ぶりの韓国と北朝鮮の首脳会談が行われ、「朝鮮半島の完全な非核化実現」を宣言します。

そして、2018年5月7、8日には、中朝首脳会談が行われ、5月9日に訪朝した米国国務長官に以下のように伝えています。

  • 金委員長:2018年5月9日「全ての核を余すところなく廃棄する」

そして、2018年5月9日、北朝鮮が拘束していた米国人3人を解放しました。

日本だけが完全に取り残されてしまった感じになりました。

そして、5月16日に北朝鮮側の態度が変わります。

これは米国が北朝鮮に対して核放棄を強要していたためだと思われます。

  • 金委員長:2018年5月16日「一方的に核放棄だけを強要しようとすれば、会談に応じるか再考するほかない」
  • トランプ大統領:2018年5月16日「2回目の中朝会談後、北朝鮮の態度が変わった。気に入らない」
  • 金委員長:2018年5月24日「会談場で会うのか、核対核の対決場で会うのかは米国の決心にかかっている」

そして、北朝鮮は2018年5月24日に豊渓里にある核実験場で坑道や観測所とみられる施設を爆破した映像を公開します。

これは、非核化に取り組む姿勢をアピールしたものと思われます。

しかし、米国は米朝首脳会談の中止を発表しました。

中国との会談後に北朝鮮側の態度が変わったとしてます。北朝鮮が核実験試験施設の一部を爆破したにも関わらずです。

当然、金委員長も会談は中止と発表すると思ったのですが、意外にも予想は外れました。米国側が北朝鮮に事前に入り金委員長と話をする中で北朝鮮側の切羽詰まった事情を見つけたのでしょう。

これで、北朝鮮側が会談を中心できないことがわかり米国側は強気に出たのではないかと思います。

  • トランプ大統領:2018年5月24日「シンガポールでの首脳会談は開かれないことをお知らせする。金正恩氏が建設的な対話と行動を選択する時を、私は待っている。」
  • 金委員長:2018年5月25日「予想外であり、極めて遺憾。我々は対座して問題を解決する用意がある」
  • トランプ大統領:「とても良い声明だ。彼らは(会談を)したいし、我々もそうだ」

2018年5月26日には2回目の南北首脳会談が行われ、金委員長は以下のような声明を出します。

  • 金委員長:2018年5月26日「歴史的な朝米首脳会談に対する確固たる意志」
  • トランプ大統領:2018年5月26日「とてもうまくいっている。6月12日のシンガポールを見据えている」
  • 金委員長:2018年5月31日「朝鮮半島非核化の意志は変わらず、一貫して固い」
    ※ロシア外相との会談にて
  • トランプ大統領:2018年6月1日「我々は6月12日にシンガポールで首脳会談を行う。「最大限の圧力」という用語をこれ以上使いたくない。うまくやっているからだ」
  • トランプ大統領:2018年6月9日「エキサイティングな一日になる」

そして、2018年6月12日に歴史的な米朝首脳会談が行われました。

  • 金委員長:2018年6月12日「足をひっぱる過去もあったが、全てを乗り越えてここまで来た。世界中の多くの人々は、これをSF映画のファンタジーだと思っているでしょうね。」
  • トランプ大統領:2018年6月12日「お会いできて大変光栄です。私たちは共にすばらしい成功を収めることになるでしょう」
  • 金委員長:2018年6月12日「トランプ大統領と共にやりとげることができると信じています。世の中は、おそらく重大な変化を見ることになる」
  • トランプ大統領:2018年6月12日「絶対に招くだろう(正恩氏をホワイトハウスに)」
  • 金委員長:2018年6月12日「また会いましょう」
  • トランプ大統領:2018年6月12日「戦争ゲームをやめる。膨大な量の金を節約できる。非核化にかかる費用は韓国と日本が払う」

なぜ会談は実現したのか?

北朝鮮は米国との首脳会談を実現して経済制裁等の解除を取り付けたかったという事情もあり内心は会談に前向きだったはずです。そしてトランプ大統領ノーベル平和賞が欲しかったので、会談に前向きだったのではないかと思っています。

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平和の祭典、オリンピックがキッカケで、歴史的な首脳会談が実現したというストーリーは良かったと思いますが、そこまでのトランプ大統領と金委員長のやり取りは、頂けません。

トランプ大統領とすれば、敵対視している、オバマ前大統領は、2009年にノーベル平和賞を受賞しているので、自分もどうしても受賞したかったのでしょう。

これまでの実績だけを考えれば、トランプ大統領には以下のようなものがあります。

ノーベル平和賞の発表が2020年10月なので、今年に入って平和に関わることを8月、9月に夏休みの宿題状態のように頑張っていました。

しかし、結果は、WFP(世界食糧計画)世界各地で食糧支援を行っている国連機関が選ばれました。

会談までの経緯を見ても、トランプ大統領が選ばれないのは当然でしょう。

そして、トランプ大統領は、自分がノーベル平和賞候補になったことを発表し、平和目的のデモ参加者に暴力を振るうことを称賛し、自分に反対する人間を嘲り、過激な白人支持を示すような言動も目立ちます。

これでは、平和を願う気持ちは微塵も感じられません。

全てが政治目的、いや自分の名声のために行っているようにしか受け取れなくなります。つまり、ノーベル平和賞目的の行動だと判断されるのは、必然だと思います。

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トランプさんの顔って、鳩より鷹の方が近いですよね。

言動も平和というより、戦争って感じですし、これでノーベル平和賞を受賞したらノーベル賞の価値がなくなりますので、判断に間違いはなかったと思います。