北海道新幹線が開通して4年以上経過
北海道新幹線の乗車率は23%だということです。
北海道新幹線(新青森―新函館北斗間)は3月26日に開業4周年を迎えた。JR北海道によると25日までの丸4年間で742万7000人が利用したが、1日当たりの平均乗車人員は約5100人、乗車率は26%にとどまる。
北海道といえば、国内の行きたい都道府県ランキングで常に1位、2位になる場所です。
それなのに、北海道新幹線の乗車率が23%というのは寂しい限りです。
北海道新幹線より1年先に開通した北陸新幹線の乗車率は、約60%なので明暗がはっきりした感じです。
どちらも、まだ全線開通ではないのですが、これだけの差が出てしまうのは移動時間と終点駅だと思います。
北陸新幹線は、東京から金沢で、移動時間は、最短で約2時間30分です。朝の6時に東京駅を出れば、9時前には金沢駅に到着します。
これに対して北海道新幹線は、東京駅から新函館北斗駅で移動時間は約4時間です。始発が6時30分ということもあり、到着は11時頃になります。
更に札幌まで行こうとすれば特急北斗に乗り換えて、14時38分着ですから8時間かかります。
羽田空港から札幌の新千歳空港までの飛行機を利用すれば、AM6時15分発で9時45分には到着するので移動時間は1時間30分です。東京から北海道へ北海道新幹線で行くという人は少なくて当然です。
複雑な東北・北海道方面の新幹線
東北・北海道方面の新幹線を語るに際して、路線図を理解しておく必要があります。
東京駅で異なる2種類の新幹線が連結されている場合がありますよね?
利用したことがない人にとっては、不思議な光景です。
東北・北海道方面の新幹線って以下の4路線があるんですね。
そして新幹線も以下の6つがあります。
そして、停車駅と路線図は以下のようになっています。
東北新幹線って一つの路線ではないんですね。
東北って太平洋側と日本海側に分かれていますので、太平洋側の路線と日本海側の路線に分かれるんです。
その分岐点が、福島と盛岡です。
山形新幹線は福島から新庄まで、秋田新幹線は、盛岡から秋田までです。
2つの新幹線が連結されているのは、例えば、山形新幹線だと、東京駅からは東北新幹線と山形新幹線が連結されています。そして、福島までは連結された状態で運行されます。福島に到着すると連結された新幹線が分離されて、山形新幹線は山形方面(日本海側)、東北新幹線は岩手方面(太平洋側)に向かいます。
秋田新幹線も同様に、盛岡までは連結された状態で運行します。
そして盛岡で分離されて秋田新幹線は秋田県方面、東北・北海道新幹線は青森県方面に向かいます。
北海道新幹線と呼ばれているのは、現状は新青森駅から新函館北斗駅までの区間です。
北海道新幹線のメリットは?
北海道新幹線が札幌までつながったとしても、東京ー札幌間は約5時間です。
東京からは正直メリットはありません。
しかし考えてみてください。
東京からの移動時間で判断することが、そもそも間違っているのです。
乗車率も当然、東京からではなく、新青森から新函館北斗間です。
青森県と北海道は歴史的なつながりの深い県が多いので移動時間の短縮で連携・交流が拡大していくことが期待されています。
青森から函館に行く場合、飛行機だと青森空港→新千歳空港→函館空港というルートになります。片道の費用だけで5万円以上かかり、移動時間も5時間程度かかります。
しかし北海道新幹線だと費用は8千円弱で移動時間も最短2時間以下です。
これは大きなメリットと言えます。
もう一つ、新幹線というのは飛行機と比較した場合に定時性が高いというメリットがあります。北海道新幹線の定時運行率ですが開業して1年間は約97% です。
しかし、新千歳空港の定時運行率は85%です。
飛行機はギリギリの移動時間を設定してもどうしても遅延が発生することが多くなります。このため、1便早くするなど余裕を見て出発しないといけませんが、新幹線であれば、ほぼ予定時刻通りに到着することができます。
そして、交通手段の選択肢が複数あるというのは大切なことです。何かトラブルがあった時に、選択肢が飛行機だけだと何らかの理由で飛行機が飛べない場合に移動手段がなくなってしまいます。
東京からという視点だけで評価すると無用の交通手段が青森県と北海道という視点で考えると結果がまるで違ってしまいました。
北陸新幹線は、用途が観光中心になっているので、北海道新幹線も同じ視点で考えてしまったのですが、大きな間違いです。
札幌開通は2030年とまだ、10年も先ですが、札幌まで開通すれば新函館北斗駅から札幌駅までが約40分です。現状が特急北斗で3時間30分程度なので大幅な短縮です。
新青森から札幌までだと、飛行機を使っても4時間以上、要しますが、新幹線だと1時間40分程度に短縮されます。
以上から北海道新幹線の札幌開業を期待したいと思います。