ネジ
ハードディスクのネジを外そうと思ってネジの形状を見ていて、ふと考えてしまいました。ネジって買うことはないけど、買ったものには、ほぼネジが使われている?
電気製品には必ず使われている。
家具、調理器具、眼鏡といった色々生活で使用するもので使われていないものを探す方が大変かも・・・
ネジって誰が作ったんだろ?特許とか取っていたら凄いことになってるかも。
そんなネジですが、ギリシャが発祥だとされています。
それが、日本に入ってきたのは、種子島に初めて鉄砲が入ってきた、「鉄砲伝来」と共にです。
つまり、鉄砲にネジが使われていたのです。
釘だと真っ直ぐに刺さっているだけなので振動などで刺さっている穴が広がってくれば抜けてきますがネジだと上下左右でしっかりと密着しているので簡単には緩みません。
小さなものだと時計の中に米粒より小さなネジ、大きなものだと、道路の高架や建物の基礎部分に使われています。
Screw
ネジのことを英語ではScrew(スクリュー)と呼びます。
スクリュードライバーって工具がありますが、これは「ねじまわし」ってことになります。
カクテルでもスクリュードライバーってありますよね?
ウォッカとオレンジジュースを混ぜたものです。
初めて、このカクテルを作ったのがアメリカの作業員で、かき混ぜるのにスクリュードライバーを使ったことからスクリュードライバーという名前がつけられたとのことです。
ビス
ネジには、ビスと呼ばれるものがあります。
日本語だと小ねじという意味になります。
ビスというのはぶどうの蔓(つる)を意味するラテン語「vitis」が、フランス語で、ねじを表すvisとなり、さらに英語のviseになったということです。
ネジにはなぜ、プラスとマイナスがあるの?
元々、ネジ頭はマイナスで作られました。
マイナスドライバーで、ネジを締める時と、プラスドライバーでネジを締める時では、どちらが締めやすいですか?
マイナスドライバーで締める時はビスの頭を押しながら回さないと、ビスの頭からドライバーが外れてしまいますよね?しかし、プラスドライバーの場合だとマイナスの時よりも外れにくいので回しやすいはずです。
電動化する際にもプラスネジの方が有利なので、工場で沢山のネジを回す必要があるような場合には、プラスネジの方が圧倒的に作業効率が良くなります。
日本にプラスネジを持ち込んだのは、ホンダの創業者である本田宗一郎氏だと言われています。米国の工場を視察した時に、プラスネジの作業性の良さに驚き、落ちていたネジをポケットに入れて持ち帰ったということです。
現在ではプラスネジとマイナスネジの生産数の比率は9対1で圧倒的にプラスネジが多いです。
マイナスネジが便利なとき
だったら、なぜ全部、プラスネジにしないのでしょうか?
これは、マイナスネジが便利な場合があるからです。
下の写真は、ドアノブですが、トイレの扉などによく使われている内側から鍵をかかるタイプのものです。
トイレの中から鍵をかけられた状態で、もしも中にいる人が意識を失ったりして救助しないといけない時に、外側のドアノブの上などに、大きなマイナスネジの頭のようなものが取り付けられています。
これを回すと鍵が解除されます。
大きなマイナス形状なので、10円玉などがあれば差し込んで簡単に回すことができます。しかしこれがプラス形状だと専用のドライバーが必要になりドライバーがないと開けられません。
マイナス形状は専用の工具がなくても回せるようにする場合によく取り付けられています。あと、プラス形状は、屋外などゴミが貯まりやすい場所だとネジ頭にゴミが貯まってしまい取り除く際に苦労しますし、取り除くときに、ネジの頭を変形させてしまう可能性もあります。
しかしマイナスだとそういった心配も軽減されます。
ドアクローザーの油圧調整を行う部分や水回りのパーツも同じ理由で大きなマイナス形状になっています。
それぞれのネジには、それぞれのメリットがあるってことですね。
身近すぎて当たり前の存在になっているものでも、考えてみると意外な発見ってあるものです。
身近にある当たり前の存在のことを、じっくり考えてみるというのも大切なのではないでしょうか?