KDDIが新しい格安スマートフォン会社を設立
携帯料金が高い、電話番号と同様にキャリアメールのメールアドレスの移行も行えるように・・・と総務省から圧力がかかり、その対応策として行ったということだと思います。
KDDIは2020年10月30日、オンラインサービスに特化した格安スマートフォン会社「KDDIデジタルライフ」(東京)を11月2日に設立すると発表した。また、携帯電話の割安プランについて、主力の「au」ブランドで当面採用しない方針を表明した。東京都内で開いた決算記者会見で高橋誠社長が明らかにした。
新会社は回線を持たずに大手から借りる仮想移動体通信事業者(MVNO)の位置付け。契約者情報を記録したSIM(シム)カードが不要な「eSIM(イーシム)」を活用し、アプリなどを利用してオンライン上で全ての手続きができる。
確かに携帯電話の料金が高いというのは、多くの人が感じているはずです。
大手キャリアを利用した場合の携帯電話料金の月額平均は、7000円./月~8000円/月です。
これが格安携帯、格安SIMと言われるサービスに切り替えると月額2000円/月~3000円/月と大幅に安くなります。
格安SIMを提供している事業者のことをMVNO(Mobile Virtual Network Operator)と呼びます
これに対して、大手携帯電話会社(NTT docom、au、SOFTBANK)はMNO(Mobile Network Operator)と呼ばれます。
価格だけを比較すると格安の方が断然お得だと思ってしまいます。
MVNOとMNOの違い
では、MVNOとMNOでは何が違うのでしょうか?
まずは、以下の図を見てください。
MNOは日本中に携帯電話の基地局を設置しています。
基地局間は光ファイバー等で接続されて他の電話会社やインターネットと接続されます。
MVNOは、POI(Point Of Interface)と呼ばれる相互接続点で通信が分離されます。
そして分離された箇所で通信のデータ量が設定されます。
MVNOは定められた通信のデータ量をMVNO利用者で分け合って使用することになります。このため、利用者が多ければ多いほど通信は遅くなります。
このため、MVNOは限られた通信量で通信を行うことになるので、どうしても利用者の多い時間帯と少ない時間帯で通信速度が変動します。
会社の同僚が楽天モバイルに変えて携帯料金が凄く安くなったと喜んでいました。ところが、防犯カメラのアプリを使用した時に、映像が出て来ないというので、Yモバイルを利用していた人にも確認を依頼するとやはり、映像が出てきません。防犯カメラの機器が壊れたのではないか?ということで自分のスマホで確認すると普通に確認できました。
その時間帯が丁度、昼休みで利用していた人が多かったということですね。
他にもYモバイルのサポートの対応が悪すぎるということでMNOに戻した人もいます。
格安SIMのデメリット
格安SIMを利用する場合の主なデメリットは以下の通りです。
- 通話料金:40円/分
- 通信速度:沢山の人が使用する時間帯は凄く遅くなる。
- キャリアメールが使えない
- サポート対応が悪い
他にも色々と制限がありますので契約する前には、しっかり確認しておく必要があります。
格安ブランドを作る理由
MNOにすれば、基地局を全国に設置していますので膨大な費用がかかっています。
更に5Gを普及させる必要がありますので更なる投資が必要になります。
このため、一律、価格を下げたのでは、インフラ整備に支障がでますので、格安携帯会社を設立し、国からの要請には対応できる形をとりつつ、MNOでインフラを確保するということでしょう。
MNOとMVNOでは、価格差がある分、差別化が必要になります。
サービス内容が全く同じで価格だけが安いというのではみんな、格安の方に流れていきます。
大きな差別化として、MVNOは通信速度に制限を多くかけて通信速度を不安定にしているわけです。そうやって全員がMVNOに流れていかないようにしているわけですね。
正直、そんな新会社を設立するくらいなら、MNOの価格を下げて欲しいというのが僕の本音です。