「わたしの家政夫ナギサさん」
TBSのドラマ「私の家政夫ナギサさん」の平均視聴率が15%を超えたそうです。
家政婦(ハウスキーパー)のドラマというと、最近では、新垣結衣さん主演の「逃げるは恥だが役に立つ」ですが、「ワタナギ」が男性、「ニゲハジ」が女性という点は異なりますが、家政夫(婦)と雇い主の恋愛ドラマという点では同じです。
そして、「ワタナギ」ですが、「ニゲハジ」の平均視聴率を上回っているとのことです。「ワタナギ」の設定は、若い女性の一人暮らしの部屋に、おじさんの家政夫さんがやってくるというものです。
正直、あり得ない設定だなぁって感じです。
家政婦(夫)さんってドラマでは見ますが、実際には見たことがありません。
そもそも、どうやって依頼するんだろうって思ったので調べてみました。
家政婦から家事代行サービス
今は、「家政婦」というキーワードで検索するよりも、「家事代行」で検索した方が、たくさん、見つかりました。
その中で、カジフルという比較サイトがわかりやすかったです。
家事代行ではできないこともある
家事全般何でも行ってもらえるのかと思っていたのですが、以下のような専門技術が必要になることはできないようです。(できる場合もあるようです)
- ハウスクリーニング(エアコン・換気扇等の内部清掃)
- 介護・介助
- 家具の組み立て・危険な作業
- 医療行為
- ペットの散歩
- 家庭教師
※ペットの散歩は、ペットシッター業務
家政婦の検定試験
そして、家政士という検定試験(厚生労働大臣認定)があるそうですが、家政夫のナギサさんも取得しているのでしょうか?
ドラマ内でナギサがメイに出した履歴書に書いてあったかもしれませんね。
なぜ「ワタナギ」を見ようと思ったのか?
「ニゲハジ」の再放送を見ていたら、ちょいちょいと、新番組ということで、「ワタナギ」のCMが流されて繰り返し見ているうちに、「ニゲハジ」と家政婦繋がりということでみようかな?と思ってしまいました。
テレビ局の思惑にまんまと、ハマってしまったというわけですね。
で、「ワタナギ」の初回を見た時です。
最初は、次はみないだろうなぁって感じでした。
やはり設定に無理がありますし、ナギサとメイの歳の差は親子ほど、ありそうです。それで2人の恋愛ストーリーと言われても興味は持てません。
しかし、ドラマの後半の以下のシーンを見てナギサに興味を持ちました。
メイは、ライバル会社アーノルド製薬のエース田所に新薬の契約を取られてしまい、まさかの敗北。
ショックを受けたメイは部屋でお酒を飲んで散らかった「モノ」の中に埋もれて眠っています。
そこへ家事を行うためナギサさんがやってきました。
誰もいないと思っていたのに、「モノ」の中に埋もれて眠っているメイをみつけて驚きます。
- メイ「私、負けたんです」
- メイ「まとはずれなことやって・・・」
- メイ「頑張った気になって・・・」
- メイ「ほんとバカみたいです」
- メイ「私なんて大したとりえもないし」
- メイ「家のこともろくにできないし」
- メイ「今のわたしから仕事取ったら何にも残らないのに」
- メイ「リーダー任されて少しいい気になったりして」
- メイ「ほんと、何やってんだ?って感じですよね」
- ナギサ「そんなことはないと思います」
- ナギサ「あなたは立派な努力家です」
- メイ「たった数日で、あなたに何がわかるんですか?」
- ナギサ「わかりましたよ」
- ナギサ「最初にこの部屋を片付けたとき、すぐに」
- ナギサ「ほかの荷物はグチャグチャなのに、MR関連の本だけは、ちゃんと手の届く場所にありました」
- ナギサ「使い込まれたテキストに、薬剤の適用疾患に関する資料」
- ナギサ「ただでさえ仕事で遅いのに、更に寝食を惜しんで勉強なされているんだなと思いました」
家政夫なのに、MRとか、薬剤の適用疾患の資料って言葉が何故、サラッと出てくるんだろう?僕なんてMRという言葉の意味さえわかっていないのに、この人、業界経験者だと確信しました。
家政夫に何故、なったのか?その前は何をしていたのか?そんなことが気になり2回目以降も見るようになりました。
見ているうちに家に帰るとナギサさんがいるっていうのが、主人公のメイの気持ちとシンクロしていきました。
僕は一人暮らしの経験がないので、誰もいない家に帰るという経験がなく、せいぜい、出張で誰もいないホテルの部屋に帰るという経験くらいです。
そんなことから誰もいない部屋に戻るというのが寂しいという気持ちはわかりません。
じゃあ、どこがメイの気持ちとどこがシンクロしたのかと考えると、自分のことを理解してくれて、話しを聞いてくれる人がいるってことなんだと思いました。
悩み事がある時に、適切なアドバイスをしてくれなくても、相談するだけで気が晴れたりする人っていませんか?
今の時代、ナギサのように、穏やかな人ってなかなか、いません。
最初は、この人、良い人だと思っても、徐々に変わってきて、グチが増えたり、直ぐにキレたり、自分はこんなに凄いんだということを話してきたりして、そのギャップに驚き、この人とは距離を置かないといけないって思うことが多いんですよね。
ナギサのように、散らかった状態でも、しっかりと、本質を見てくれる穏やかな人が家に帰ると居てくれるというのはホッとします。
それに加えて、家に帰ると部屋は綺麗になっていて、美味しい食事が用意されていたら、メイでなくても手放したくなくなります(笑)
ニゲハジは、契約結婚、ワタナギはお試し結婚でした。
何となく似ているような気がしますが、でも二つのドラマの共通点は、普通にありそうな「日常生活」にちょっとだけ「非日常」が加わっている点だと思います。
「ニゲハジ」の非日常は、若い綺麗な家事代行の人から「契約結婚」を提案される点です。そして、「ワタナギ」は若い綺麗な雇い主から、おじさん家政夫に「お試し結婚」を提案される点です。
「ありえない日常」
でも、それよりも僕は「ありえない日常」シーンの方が何も考えずに安心して見られるので好きです。
「ありえない日常」って何?って思うかもしれません。
普通に生活していると、大小はありますが、必ず嫌なこと、ストレスを感じることっていうのが起きるものです。
「ワタナギ」や「ニゲハジ」って日常生活を描いたドラマですが、見ていてストレスを感じることが、ほぼないんですね。日常生活でストレスがないなんて「ありえない」のです。だから、「ありえない日常」ってことです。
ドラマを見ている間は、ストレスを感じることもなく安心していられる。だからつい見てしまう。阿部寛さん主演のドラマ「結婚できない男」も同じでした。
ストレス社会だからこそ、ストレスを感じない時間を過ごしたい人って少なくないはずです。映画やドラマといえば、非日常が当たり前だと思います。
映画やドラマで非日常を体験して「思いっきり笑う、泣く、興奮する」というのも勿論良いと思いますが、「安心して見られる」というのも良いと思うんですね。
アニメの「サザエさん」、「ちびまる子ちゃん」というのは、日常生活を描いたもので、安心してみられるので長く続いているのではないかと思います。
サザエさん症候群
最近は、サザエさん症候群といって、サザエさんが日曜日の夕方に放送されていることから「明日からまた仕事だという嫌な感情」と結びついてサザエさんを見ると憂鬱になり、体調不良や倦怠感を訴えるというものです。
本来、安心してみられるアニメが、放送の時間帯により不安を引き起こすものになってしまうというのは、ストレス社会が深刻になっているってことなのでしょうか?全ての悩みは対人関係にあるというアドラーの言葉が正しいなら、それは人にばかり注意を向けてしまっているってことなんでしょうね。自分以外を変えることなんて、誰にもできないので考えても嫌な気分になるだけです。
どうしようもないことを考えてストレスを感じるより、ありえない日常を描いたドラマや映画を見て心の安定を得た方が良いと思うんですけどね。