すき焼き定食の思い出
随分と前に、早朝入った店で、「すき焼き定食」を注文しました。
お腹が空いていたので朝から、すき焼きでも大丈夫でした。
しかし、出されたすき焼きが、美味しくないんです。
風邪をひいた時のように味がしません。
お腹は空いていますし、体調が悪いというわけでもありません。
せめて、味噌汁とお新香で、ご飯を食べようと思ったのですが、共にまさかのすき焼きと同じ味付けです。
二人で同じものを注文したのですが、二人とも同感で、ほとんど食べずに出てきました。
それ以来、その店の前を通る都度、「あーあの時のすき焼きは、美味しくなかったなぁ」と思い出していました。
そして中で食べているところが車からでも見えたのですが、今は美味しいのかな?と疑問に感じたりしてました。
まさかの全国チェーン
それでも、この店は長くは続かないだろうなぁと思っていたのですが、まさかの全国チェーンにまで成長したのです。
どこへ行っても見かけないことがないほど、店舗数も増えています。
それでも、二度と入ることはありませんでした。
別に、根に持っているとかではなくて、怒っているわけでもなく、なんとなくです。
テイクアウトであのすき焼きが・・・
新型コロナでテイクアウトを利用することが増えていて、家族が何と、その店のすき焼き丼を買ってきたのです。
その店のすき焼き定食が美味しくなかったということは、人には言ったことがなかったので家族も知りません。
蓋を取ると、美味しそうな感じです。
そう、見た目は美味しそうなんです。
肉から食べる勇気がなかったので、ご飯を一口食べました。
「ん?これは・・・」何と味がしました(笑)
もしかすると食べられるかも?と肉を食べてみました。
「うん、すき焼きだ」という言葉は口にはしませんでしたが、思わず、「美味しい!」と言葉が出てしまいました。
この「美味しい」は、ちょっと意味が違うんです。
あの時と同じすき焼きなのに、味がしたという意味で「美味しい」という言葉が出てしまったんです(笑)
同じ店のすき焼きだとは思えません。
思わず、パッケージを見ましたがロゴも店の名前も同じです。
もしかすると、僕が以前に食べたものは偶々、作った人が下手なだけだったのかもしれませんね。
最初の印象は大切
最初の出会いって大切なんだなぁと改めて感じました。
最初の印象が悪いと、次はないんですよね。
最初の印象が良ければ、次が悪くても、今日は何かあったのかな?ってことになります。
最近は前を通っても人がほとんど、入っていなかったので新型コロナの影響なのかな?くらいにしか考えていませんでした。
あの店が閉店している
それが先日、その店の前を通ると、看板が真っ白になっていました。
えっ?長く続いていたのに、いつも前を通る都度、なぜ、未だに続いているんだろうって思っていた店が、ほんとうに閉店してしまったようです。
入り口の扉に紙が1枚貼られています。
車の中からだと何が書いてあるのか読めませんが、おそらく、長年有り難うございましたという内容が書かれてあることは想像がつきました。
その店に対して僕は、恨みも何も感じていなかったので、悪意などは一切、持っていませんでした。
むしろ、思い出の店が、また一つ消えてしまったことで、寂しさを感じました。