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今こそ、イノベーションを考えてみよう!

製造業の解雇・雇い止めが宿泊業を抜いた

製造業の解雇・雇い止めが宿泊業を抜いたとの報道がありました。

  • 新型コロナウイルスの影響で解雇・雇い止め(見込み含む)にあった人は7月31日時点で4万1391人で、このうち製造業が最も多い7003人だった。これまでは訪日客の減少で宿泊業が最多となる傾向だったが、製造業が初めて追い抜いた。

【出典】解雇や雇い止め、製造業が最多7千人に 宿泊業を抜く [新型コロナウイルス]:朝日新聞デジタル

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仕事が激減すれば人員削減は企業としては仕方のない選択なのかもしれません。

解雇・雇い止めされた人は、その企業に対して良いイメージはもちませんので、その企業の製品や部品が採用されている製品を購入しようとは思わなくなります。

企業は雇用を切るというのは、同時に顧客を失っていることにもなります。

労働者はコストではない

企業は労働者を「コスト」と考えてきました。このため、景気が悪くなれば減らし、景気が良くなれば増やすということを繰り返してきました。

では労働者は「コスト」ではなく、何なんでしょうか?

あの、名著「マネージメント」で有名なピーター・ドラッカーは、以下のように言っています。

  • 知識労働者を「コスト」として扱うべきではない。「資本財」として扱わなくてはいけない。コストは管理し減らさなければならないが、資本財は殖(ふや)さなくてはならない。

知識労働者とは?

ドラッカーは、知識労働者を「知識は資本や労働力に変わる新しい生産手段」だと言ってます。

そして知識とは儒教でいう「道を知るための道具」だと言います。

従来は、資本家が労働者の時間を買って資本家が市余裕する生産手段で生産活動を行っていましたが、知識労働者自身がもつ知識が生産手段になったことで資本家の価値が低くなったのです。従来の資本主義社会に対して、このような社会を知識社会だとドラッカーは言っていました。知識社会では、労働者が所有している知識が製品やサービスを生みだすのです。

労働者は資本

このため、労働者は減らさなければいけないコストではなく、増やすべき資本だというのです。

そう考えると、解雇だ、雇い止めだ、リストラだと今の企業が行っていることは資本を減らしているのと同じになります。

知識労働者は、本来行うべきことに集中させることで、企業の生産性が高まり競争力も強くなるのです。その他の仕事については専門の人に任せる(アウトソーシング)べきだというのがドラッカーの考え方です。

「強み」はやるべきこと、「弱み」はやめるべきこと

人も企業も「強み」と「弱み」があります。

ドラッカーは強みは「やるべきこと」弱みは「やめるべきこと」だとも言っています。

派遣切りをしてしまうと派遣社員の方に依頼していた仕事を知識労働者が行うことになるので生産性は低くなり競争力も弱くなるのです。

とは、いっても、新型コロナによる自粛活動などで消費活動が減れば売り上げは低下します。労働者は資本だと言っても、知識労働者に支払う賃金は売上とは関係なく定期的に発生します。今のような状態では、知識労働者もコストになってしまうのです。

企業も変化しないといけない

社会の変化に応じて企業も変化しないといけません。

ここで、変化をマネジメントする必要が出てきます。

この時のポイントは3つです。

  1. 製品やサービスの継続的変化(製品やサービスを改善)
  2. 新しい適用方法の開発(全く違うマーケットを掘り起こす)
  3. 組織自体のイノベーション(製品・サービスを変えるには組織も変わる)

ここで、イノベーションという言葉が出てきました。

イノベーションとは?

イノベーションは「革新」です。

変化が無い市場の中で顧客の取り合いや、需要と供給のバランスを何とかしようとしても、市場そのものが大きくなることはありません。それよりも、変化のなくなった市場を一旦、破壊して、別の市場を作り出すことを考えた方が建設的です。既存の市場を壊すのが企業家であり、起業家の活動の中心がイノベーションだと言います。

iPhoneイノベーション

アップル社の、「iPhone」が良い例だと思います。

電話・音楽端末・インターネット通信機器これらは、iPhoneが登場する前から存在していたものです。

電話は携帯電話になり、カメラや電子マネー、独自のネットへの接続と進化を遂げていきました音楽端末は小型化されタッチ操作のものへと進化を遂げました。パソコンもハードウェアの標準化が進み価格が下がり、インターネットへの接続ができるようになり世界中のサーバーやパソコンと繋がるようになりました。

そして、どれも変化が少なくなった市場で顧客の取り合いをしていました。

中には撤退する企業もありました。

そして、電話をするために携帯電話、音楽を聴くために、IPodウォークマンという音楽端末、インターネットに接続するためにパソコンと別々のものを用意する必要がありました。

そこへアップル社が3つの市場の製品を1つにした「iPhone」を開発して「スマートフォン」という新しい市場をイノベーションしたのです。

Apple社のある米国だけではなく世界中に広まりました。

電話・音楽端末・パソコンを創造的破壊しニーズのある部分を残しタッチパネル以外には必要最小限のボタン(電源・ホーム・音量)だけが配置された機器にまとめたのです。まさにその名の通り、スマートフォンです。

今では、スマートフォンなしで生活ができない人もいるはずです。

それほど、世界中の人の生活を変えてしまったのです。

ドラッカーのいうイノベーションというのは、変化を知るためにマーケティングを行い、その結果をもとに、既存の製品・サービスを見直し、不要な部分を除去してマーケティングで得られた新しいニーズを満たす部分を付加して新しい製品・サービスに仕上げるというものだと思います。

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iPhoneは、イノベーションのお手本と言える事例だと思います。

ティージョブズiPhoneのプレゼンを行った時の衝撃を超えるものはダントツで1位で、超えるものは過去にも今現在までも僕の中ではありません。

イノベーションは天才の思い付きではない

iPhoneの事例では、スティージョブズという一人の天才によるイノベーションだと考えてしまいがちですが、実際には、iPhoneはスティージョブズの想像を超えたものに仕上がったのです。

iPhoneは当初、電話がかけられる、iPodという企画から始まりました。

そしてジョブズは、ボタンが多い携帯電話を嫌っていたのでユーザーインターフェースを大きく変えたいと考えていました。

作っていくうちに、色々な可能性が見えてきたことで、初代iPhoneが完成したのでしょう。イノベーションというのは、一部の天才の思い付きだけではなく、明確な目的意識、よく練られた方法、丹念な分析で体系的、組織的に作られていくものです。

iPhoneも例外ではなかったはずです。

そして、起こっている現実を外に出て知ることも重要です。

企業にとって一番大切なのは「顧客」です。

外に出て見て質問して顧客を知る必要があります。

顧客というのは最終的には人になるので人を見ないといけません。

そして、何が未来の顧客の利益になるのかを考えます。

イノベーションを体系的に分析するためにドラッカーは7つの機会が必要だと言ってます。

  1. 予期せぬこと
  2. ギャップ
  3. ニーズ
  4. 構造の変化
  5. 人口の変化
  6. 認識の変化
  7. 新知識の獲得

企業は営利組織ではないとドラッカーは言います。

存在理由のない企業は不要です。

そして社会に貢献することが企業の使命です。

企業は社会に貢献する組織ということになります。

企業の存在理由が明確になった上で目的が必要になります。

そして企業の目的は1つだとドラッカーは言います。

「顧客の創造である」

顧客の創造って言われてもピンときませんよね。

顧客の創造というのは新しい顧客を増やし続けることです。
既存の顧客を維持していくことが目的ではないということです。

社会は常に変化するのですから顧客も変化していきます。そこを忘れて既存の顧客を維持しようと努力しても顧客が変化すれば、ギャップが生じます。

ギャップに気が付かずに維持することを続ければ既存の顧客も離れていきます。

顧客の変化を見逃さないように現実を見ること、7つの機会を見逃さないようにし変化を見つけたら、未来の顧客の利益が何かを考えイノベーションを行う。

文章にすると何となく、わかった気になりますが、実際に行うとなると凄く大変だと思います。

まずは、企業の存在理由が何か?ここを明確にする必要があります。

スタートはここからです。