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もっと早く教えてくれよって思った内容を書いていきたいと思います。

日本でベーシックインカムは実現可能?

最近、ベーシックインカムという言葉を耳にするようになってきました。

「国民に無条件で最低限の生活ができる収入を給付する」というものです。

これが実現すれば、働かなくても食べていけるようになるということです。

ベーシックインカムの基本的な考え方は、「負の所得税」です。所得が一定の金額を下回る場合は、差額を給付し、上回れば所得税を徴収するというものです。

 

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構想は以前からあった

2017年1月に参議院の代表質問で蓮舫議員が「日本型ベーシックインカム構想」を提唱していました。日本型というのは、税制と社会保障を一体として差額を現金で給付するのではなく、国民年金医療保険負担に充当するということです。これは日本では低所得層の社会保険負担が重いことからです。

この時は、「慎重な検討が必要」ということで終わってしまいましたが、新型コロナウイルスの経済対策として、政府が実施した一律10万円の特別定額給付金がキッカケとなり、また議論が盛り上がっているということです。

ベーシックインカムが必要だという背景として、以下のような内容があります。

  • 先進国で中間層の実質所得が低下し貧困層が増加している。
  • 人工知能などの技術革新により雇用の劇的減少が懸念されている。

更に今は新型コロナウイルスの影響で、経済が悪化し職を失う人が増えることが予想されます。東京商工リサーチがまとめたコロナウイルス関連の経営破綻件数ですが、2020年2月からの累計で331社(2020年7月16日時点)だということです。多くは中小企業だということですが、大企業も減収減益となるところが増えています。

ベーシックインカム導入における問題点

これに対して、ベーシックインカムを導入することで、以下のような問題が予想されます。

1つ目の問題

1つ目は財源です。

ベーシックインカムを日本で実施した場合ですが、年間約96兆円が財源が必要になると言われています。
以下は、その場合の詳細になります。

  • 成人への支給額:月7万円(年84万円)
    ※基礎年金(満額:月額6.6万円)より金額を設定
  • 20歳未満への支給額:月3万円(年36万円)

しかし、2016年6月にスイスの国民投票ベーシックインカムの導入が大差で否決された事例から考えると、ベーシックインカム導入による問題を解決できる方法、特に財源をいかに確保するのか?というのが一番の課題だと思います。

蓮舫議員が提唱した日本型といっても、これまで税収として入ってきたお金が減るのですから、どこかで補填しないと社会保障制度に影響がでます。

財源がなければ年間96兆円が赤字として計上され日本の財政は赤字を拡大するだけになってしまいます。

では、ベーシックインカムは実現不可能なのか?というと、そうではないという意見も多くあります。

そこで、ベーシックインカムが導入されると、年金、失業手当、生活保護といったものが不要となります。それに伴う字業務不要となるので事務処理に係る費用も不要になります。これだけでは補填には不十分なので所得税率を上げたり、環境税を追加したりと調整が必要になってきます。また、現状の年金支給額や生活保護の金額よりベーシックインカムの一律支給額の方が安くなってしまうという問題もあるので支給額についても見直しが必要になってきます。

2つ目の問題 

2つ目の問題は、勤労意欲の減退です。

ベーシックインカムの基本的な考え方に戻って考えると、「負の所得税」という考え方になります。

そして、日本人の約6割が生活が多少なりとも苦しいと感じています。

この件については、以前、以下の記事を書きました。

seege.hatenablog.com

 

そして年収500万円以下の方も約6割だということなので年収500万円というのがひとつの基準になるかと思います。

年収500万円で所得税を0として500万円を超える人から所得税を徴収し、500万円を切る方に対して、年収500万円となるように差額を還元する。

この方法だと、働かなくても500万円の収入になってしまうので、働く気になんてなれなくなっても不思議ではありません。

このため、「負の所得税」という考え方をそのまま適用すると、勤労に対するインセンティブが損なわれるのは間違いありません。

このため、「差額」ではなく「一定額」という方法になるのですが、「一定額」であれば、それだけでは生活はできないので働かないと生活できないので、勤労意欲が損なわれるということはないはずです。

問題は解決できる可能性がある。

ベーシックインカムの導入に際して考えられる2つの問題に対して、全く対策ができないわけではなさそうなので、可能性が全くないというわけではないのです。

もっと支給額を減らして導入するという方法もあるので、ベーシックインカムを導入するべきだという人は少なくありません。

また、マイナンバーが導入されたのですから、個人の所得がどれくらいあるのか?というのは把握できるようになっているはずなんです。今回、コロナウイルスで収入が減った人にのみ30万円を支給するという案が出たときに、申請→確認が必要ということになっていましたが、これはマイナンバーでは前年度の分は把握できても、現段階の内容については把握できないということです。それはマイナンバーの運用方法に問題があるのであって、本来は把握できて当然の内容だと思います。

日本は、このような仕組みを作るのがとても下手なので、それこそ海外の有識者を招いて一緒に考えてもらうといったことも必要かと思います。

いずれにしても、ベーシックインカムは実現の可能性があるということです。