オリンパスと言えば「カメラ」ですが、 デジタルカメラなどの映像事業を譲渡するとの発表が2020年6月24日にありました。
オリンパスは6月24日、カメラなど映像事業を分社化して投資ファンドの日本産業パートナーズ(JIP)に譲渡することを発表しました。
発表ではオリンパスの映像事業を新会社として分社化し、JIPに対してこの映像新会社の株式を譲渡する形で行われるとのこと。9月30日までに最終契約を結び、年末までに取引を完了する予定となっています。
オリンパスは今回の決定について、スマートフォンやタブレット端末等の進化に伴う市場の急激な縮小によってデジタルカメラ市場が「極めて難しい」状況に陥っていることを指摘。実際にオリンパスの営業事業は2020年3月期まで3年連続の営業損失を計上していました。【出典】オリンパス
https://www.olympus.co.jp/ir/data/announcement/2020/contents/ir00012.pdf
デジカメが日本で発売されたのが1988年です。
会社にあったデジカメが、オリンパスのCAMEDIA C-400Lでした。
解像度はVGA(480 x 640 )ですし、パソコンに画像を転送しないと撮影したものを確認することができません。更にメモリーも内蔵のみで2MB(ギガじゃなくメガです)昇華型熱転写方式のデジタルカラープリンターCAMEDIA P-150とセットで置いてありましたが、フィルムカメラで現像されたものとは比較にならないくらい雑な仕上がりでした。それでも最初は、撮影したものがその場で印刷できるということで使っていたようですが、暫くすると印刷コストも画像の転送などの手間もかかるので使用頻度は急激に減っていったようです。
その頃は、USB端子がまだない時代なので、COMポート(RS-232C)にケーブルをつないでいたので、転送速度も9600bps(1秒間で9600ビットを転送)です。このため画像を何枚か転送するだけでも数分要していた記憶があります。仮に2MB全部を転送しようとすると計算上は約30分要することになります。
今では画像1枚でも5MB程度になりますので、時代の進歩というのは凄いです。
【出典】オリンパス
今だと信じられないという人が多いですよね(笑)
そんなデジカメでも当時は画期的だったようです。
その後、デジカメは一眼レフタイプが発売されミラーレスの小型一眼レフカメラと進化していきます。動画まで撮影できるようになり、子供の運動会と言えば、SONYのハンディカムを使っていた時代だったのが、デジカメで動画が撮影できるようになりました。ハンディカムは8mmフィルムでしたからどうしても劣化していきましたし、何より場所を取るので保管するのも大変でした。
そんなデジカメを普及させた立役者の1社がオリンパスだと思います。
特にズーム機能については、高性能安価なものが多かったのでズームを優先する場合にオリンパスのカメラを購入したこともありました。
今は、スマホのカメラが高性能でちょっとした撮影はスマホでできてしまいます。何より常に携帯していますので、撮影したいときにちょっと取り出せば手軽に好きなものが綺麗に撮影できてしまいます。
一眼レフカメラはレンズだけでもかなりの重量になりますから旅行に行くときに持ち歩くのはやはり辛いです。
ミラーレス一眼は小型ですが、それでもレンズを持ち歩くとデジカメよりも重くなります。そうなると小型軽量で更に綺麗に撮影できるスマホがあればデジカメは不要になります。
実際、僕もデジカメは何年も持ち歩いていません。
多分、多くの人がこんな感じだと思います。
そうなると一眼レフカメラは一部のマニアの方だけの需要となりますが一眼レフカメラというと、ニコンとキヤノンの2強ですからオリンパスを選ぶ人は更に少なくなるような気がします。
現在、オリンパスの事業は大きく4つあります。
- 内視鏡事業
- 治療機器事業
- 科学事業
- 映像事業
映像事業を除く3つは、全て医療・産業分野が対象になるので、オリンパスは個人向けを捨ててB to Bに専念するということかと思います。
一世を風靡したものでも、次の新しいものが出現することで消えていく。
弱肉強食という言葉を実感しました。