ユニクロ・GUのセルフレジが特許侵害
ユニクロのエアリズムマスクが話題になっていますが、個人的にはあまり興味がなかったのでスルーしていたのですが、そのユニクロのセルフレジが2019年9月に特許侵害で訴えられていました。
更にユニクロのセルフレジが訴えていたにも関わらず、GUにも同じタイプのセルフレジを現在も導入しているというのですから驚きです。
セルフレジの特許侵害で取引先から訴えられているユニクロが、今度はGUでも同型のレジを全国に設置し始めた。特許訴訟の決着はまだついておらず、グレーのままでレジを全国展開するファーストリテイリング。いったい何が起こっているのか。
以前、金沢でもセルフセルフレジが増えてきたということで書きました。
その中で、「個人的にはコンビニもGUやユニクロのようなセルフレジになってくれると良いのですが・・・」という内容を書いてしまったのですが、特許侵害で訴えられていたとは知りませんでした。
訴えたのは?
株式会社アスタリスク
設立 2006年9月1日
資本金 2億9千万円(資本準備金1億4千万円を含む)
本社住所:大阪府大阪市淀川区西中島5丁目6-16 新大阪大日ビル201
従業員 88名(海外子会社含む、2018年8月末日現在)
特許の内容は?
内容はシンプルだと記載されていましたが、どのようなものなのか確認してみました。
【特許番号】特許6469758号
【公開番号】特開2018-190255(P2018-190255A)
【出願日】平成29年5月9日(2017.5.9)
【課題】
- 読み取り時の利便性を確保しつつ、電波の影響を低減した読取装置、及び情報提供システムを提供する。
【解決手段】
- 読取装置20は、商品Pに付されたRFタグ12から情報を読み取る。この読取装置20には、開口30が形成されており、開口30を通じて商品Pを収容するシールド部44と、収容された商品Pに付されているRFタグ12と交信するための電波を放射するアンテナ60と、が設けられている。読取装置20は、シールド部44が開口した状態でRFタグ12から情報を読み取る。
【請求項1】
- 物品に付されたRFタグから情報を読み取る読取装置であって、前記RFタグと交信するための電波を放射するアンテナと、前記アンテナを収容し、前記物品よりも広い開口が形成されたシールド部と、を備え、前記シールド部が開口した状態で前記RFタグから情報を読み取ることを特徴とする読取装置。
【請求項2】
- 前記アンテナよりも前記開口側に配されて、前記物品が載置される載置部を備えた請求項1に記載の読取装置。
【請求項3】
- 前記シールド部は、前記電波を吸収する電波吸収層と、前記電波吸収層の外側に形成され、前記電波を反射させる電波反射層と、を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の読取装置。
【請求項4】
- 請求項1~請求項3のいずれかに記載の読取装置と、前記読取装置と通信可能な情報提供装置と、を備え、前記情報提供装置は、前記物品に関する物品情報を前記RFタグの情報に対応付けて記憶する記憶部と、前記読取装置から前記RFタグの情報を取得する取得部と、取得した前記RFタグの情報に対応する前記物品情報を前記記憶部から抽出して提供すべき情報を生成する情報生成部と、生成された前記提供すべき情報を出力する出力部と、を備える情報提供システム。
- 【出典】J-PlatPat(特許情報プラットフォーム)
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/
実際のセルフレジの方式は?
買い物カゴを浴槽のような箇所に置くと商品に取り付けられたRFタグを読み取り購入金額が一瞬で計算されるという仕組みなので、購入者が商品のバーコードの位置を探して読み取らせるという負担がなくなります。また、これまでのGU方式のようにコインロッカーのような箱の扉を開けてその中に入れ、精算が終わったらまた取り出すという手間も省けますので、凄く便利な方法だと思います。内容はシンプルでも技術的には困難な箇所もありそうなので、内容がシンプルであっても、これまで、このような仕組みのものがなかったのですから、コロンブスの卵的な特許ということになると思います。
実際、GUで当初使用していたものは扉方式だったので、この特許は金を払うに値しないもの(誰でも考えられる)だというのであれば、GUで最初に導入したものは、扉なしで作られていたはずです。そのうえ、現在は、アスタリスク株式会社の方式に変更したものに差し替えているのですからファーストリテイリング社の言っていることが真実だとすれば矛盾しているように感じます。
ファーストリテイリングは、アスタリスクのセルフレジに関する別の特許も含めて計5件の無効申請を行ない、特許庁を敵にするようなこともしているということです。
しかし、ファーストリテイリング、ユニクロ、GUのホームページでは、この件について一切触れられていません。
このため、どこまでが真実なのかはわかりませんが、現段階ではユニクロ・GUのイメージがかなりブラックになりました。
テレビ局は大手顧客の悪い報道はしない?
そして、テレビ局がこの件について報道していないということです。
エアリズムマスクについては大々的に報道していましたので、やはり大口スポンサー様のブラックな面は報道できないということなんですね。悪い意味で報道の自由の権利が行使されている感じです。
ハンガーの返し忘れが続出
ちなみに、ユニクロ・GUのセルフレジですが、ハンガーを取り忘れて、持ち帰ってしまうミスが多く出ているようです。
ハンガーにもタグをつけておいて、ハンガーを検知したら取り外してくださいって表示を行えば良いと思うのですが、人のアイディアを盗んで逆に特許の登録を無効にしようということは考えられても、ハンガーの持ち帰りを防止する方法は思いつかないのでしょうか。
ちなみに、持ち帰ってしまったハンガーはどこの店舗でも構わないので近くの店舗に返してもらえれば良いということです。
大企業が取引先の知財を横取り?
大企業が取引先の特許を横取りするようなことは、ファーストリテイリングだけではないようです。
顧客とはどの企業もトラブルを起こしたくありません。
アスタリスクも同じ思いで訴訟に踏み切れなかったということです。
特に相手が大企業だと訴訟を起こして取引がなくなるのは痛いです。
それを良いことに大手は、知財の横取りを考えるのでしょう。
他のものを大量に仕入れているんだからセルフレジの使用料くらいは無料にしてもいいんじゃないの?それ位は儲けさせてあげてるんだから・・・と言われたのかどうかはわかりませんが、大企業側から見ると少なからずそのような思いがあるはずです。