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百万石まつりの思い出

 

百万石まつりも中止・・・

昨日(2020年6月5日)、テレビを見ていると、百万石まつり中止のニュースが流れてきました。そっか、明日は本当は百万石まつりだったことを思い出しました。

金沢では毎年6月の第一土曜日が、百万石まつりです。

百万石まつりというのは、金沢市金沢市商工会議所が主催で行っている、まつりです。加賀藩前田利家が、1583年6月14日に金沢城へ入城した百万石行列を再現し、金沢駅前から金沢城址公園までの約3Kmの距離の道路を通行止めにして、沿道に観客が自由に座って百万石行列だけではなく、吹奏楽、太鼓、獅子舞、加賀鳶と色々なことを行いながらのパレードを見るというものです。金沢の全ての民放局(当時は北陸放送石川テレビだけでした)がパレードをテレビ中継しました。1989年にはテレビ金沢が開局し、一時期は3つの民放局がテレビ中継を行っていましたが、2010年を最後に、テレビ金沢は中継をしなくなりました(経営的な事情?)

百万石パレードでは、特に加賀鳶の梯子のぼりが人気でした。消防団の団員の方が高さ約6mの梯子を上っていき曲芸を行います。高いところで逆立ちをしたり色々なポーズを取るのですが、危険でカッコよくて、見たくて朝早くから出かけて見やすい場所を確保したものです。

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【写真提供:金沢市

僕が見に行った場所は、武蔵が辻の名鉄丸越(現在の名鉄エムザ)前です。

弁当を持って行ってパレードが来るまでは飲んだり食べたり、話したりして待っていました。その時間も楽しかったです。

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その頃はの百万石まつりは毎年6月14日に開催されていました。

そして金沢市のお祭りである「市祭」ということで、その日は市立の学校は休みになっていました。

しかし、6月14日は平日のことが多かったので、金沢市民といっても、多くの人は仕事でした。このため父は仕事でしたから母に連れられて見に行ったものです。

小学校の間は、親と一緒に行った百万石まつりでしたが、中学生になると親の力を借りなくても友人と見に行けるようになって、家族と行くことがなくなりました。

そして、毎年、同じことを繰り返すだけの百万石まつりも徐々に、見に行くことが減っていき、6月14日は「学校が休み」という日に変わっていきました。

百万石まつり」の改革が始まる

僕だけではなく、金沢市民全体が、徐々に見に行く人も減っていき、平日開催が多いので観光客も少なく、百万石まつりを、活性化するということで改革が始まりました。

まずは、百万石行列の主役である、前田利家公役です。1983年までは市役所や商工会議所の職員から選ばれていました。これをやめて、1984年に地元出身の俳優である鹿賀丈史さんを起用して観光客が急増しました。

以後は、芸能人の方が務めるようになり、高橋英樹さん、松平健さんという時代劇の顔のような方から仮面ライダーで有名な藤岡弘さん、お騒がせ俳優の原田龍二さんといった幅広い方が利家公を演じられています。2006年には、百万石行列のコースを現在のコースに変えました。

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【写真提供:金沢市

今では金沢駅の顔となっている鼓門(つづみもん)が2005年に完成したのですが、この鼓門から行列をスタートして、金沢城に入城するというコースに変えたのです。

これが金沢市民にも好評でした。僕も偶々、別件で用事があったので、久しぶりに百万石行列をテレビではなく生で見に行ったのですが、凄く良かったですね。

翌年の2007年には百万石行列の開催日時を変えました。

毎年6月14日ではなく、6月の第2土曜日と多くの人が休日の日に変えると共に、開催を2時開始にすることにより、午前中は市内を車で自由に走れるようになったんですね。百万石まつりの日は金沢の中心部の道路が通行止めになるので、休みの日なのに買い物などに出かけられなると金沢市民にとっては、とても不便なのです。これが午後開催になれば、午前中は自由に行動できるので午前中に用を済ませて午後からは百万石行列を見にいくということもできるわけです。これにより、市民、観光客共に、より多くの方が百万石行列を生で見れるようになり、百万石まつりの盛り上がりが徐々に戻ってきました。

ちなみに、6月の第2土曜日ですが、6月14日に少しでも近い日になるようにということで決めたのですが、雨になることが多くて、6月の第1土曜日に変更になっています。

改革は更に続きます。利家公の妻である、お松の方役もずっと、大和と名鉄丸越(現名鉄エムザ)の女性店員さんの中から交互に選ばれていましたが2008年からは芸能人に変わりました。

現在は、玉姫・利常といった子供だけが一般公募になっています。

NHK大河ドラマで、2002年に「利家とまつ」が放送され、唐沢さんが利家公、お松を松嶋奈々子さんが演じてられていました。

この年に、大胆にも、お二人に対して百万石まつりへの参加を打診したようですが、スケジュールの都合がつかないということで実現できなかったということです。

ミス百万石

百万石行列といえば、ミス百万石です。毎年4月頃にミス百万石が毎年選ばれて百万石行列に参加したり観光大使として活動します。2019年が第42代ということなので、42年間続いていると思うのですが、今年は新型コロナウイルスの関係で最終選考が中止となっている状態です。

ミス百万石については、子供の頃は、金沢市の百貨店、銀行といったところから順番に選ばれているという悪い噂がありました。しかし現在は、そのようなこともなくなっているのではないかと思います。

 

2020年の百万石まつりは中止  

金沢市民にとっては毎年行われていた行事であり、色んな思い出もあります。

長年、当たり前のように続いてきた、百万石まつりですが、4月に開催が中止という発表を聞いても、あー今年は、中止なのか、新型コロナだから仕方ないよなぁ~っていう感じでしたが、いざ、前日に、明日の百万石まつりは中止ですと聞いてしまうと実感が湧いてきて、百万石まつり見れないんだ・・・と急に気持ちが暗くなりました。

 

百万石まつりの前日夜には市内の子供達が提灯を持って歩く提灯行列、百万石まつりが終わった夜には、市民が団体で競い合う、百万石踊り流しも行われていました。

新型コロナウイルスさえなければ・・・と恨みに近い気持ちも芽生えてきます。

世界規模のオリンピックが中止になったというのも、事実としては認識できていますが、正直、実感はありません。

そして、開始時刻の午後2時になっても百万石まつりは始まらず、いつもと同じ普通の土曜日として時間は過ぎていきました。

色んなことを目に見えないような小さなウイルスの前に人間は無力で生活を変えることしかできなくなったのです。

しかし、来年までには、ワクチンや治療薬も開発され、また、当たり前のように百万石まつりが開催されるはずです。