土曜日の午前中にテレビを見ていると、以下のようなCMが流れました。
画面の左上に「2020 Kanazawa 息づかいは、消えない」という表示と音楽だけが流れる内容です。(以下の動画では「静寂が叫んでいる」というテロップが表示されています)
信号機が青になった時に鳴る、 ピヨピヨという音だけが鳴り響き、映像は誰もいない、金沢駅東口前の道路、金沢駅、新幹線乗り場、あんと、駅の地下、ひがし茶屋街、21世紀美術館、香林坊、片町、バスの中、犀川、兼六園へと切り替わっていきます。
こんなに人がいない金沢というのは見たことがありません。
金沢は新幹線が開通するまでは、そんなに人が多い場所ではありませんでしたが、それでも金沢の中心部に誰もいない、車が走っていないなんてことは、ありませんでした。
それでも、映像からは信号機のピヨピヨ音や風、水面が、金沢の息づかいのように感じられます。そして金沢で生活する人々が緊急事態宣言の中、どのようなことをしているのかが映し出されていきます。
何のCMなんだろ?
なんか、いい感じの映像だなぁ~と思って、どこのCMなのかが気になりました。
映像には、ほとんどヒントとなるようなテロップ等はなかったので、最初、金沢市が作成したCMなのかと思いました。
唯一のヒントと言える、映像の左上に表示されていた「息づかいは、消えない」というキーワードで検索すると、株式会社フィックスという会社のホームページが最初に表示されました。
そして、クリックして表示されたページにはCMで流れていた映像のオリジナル版と以下のような文面が表示されていました。
「Smile」
- ほほ笑もう
心が痛んでいても
ほほ笑もう
心が壊れそうになっていても
空に雲がかかっていても
きっと君ならくぐり抜けられる
怖いときも苦しいときも ほほ笑めば
ほほ笑めば きっと明日
太陽が君のために
ひかり輝いていることに気づくから
喜びで照らそう
君の顔を
隠してしまおう
悲しみの跡を
もしかしたら
涙がずっと近くにいるかもしれないけれど
そんな時こそ
何度も試してみるんだ
ほほ笑もう
「泣くこと」って何のためにあるのだろう
見つかるはずだよ
人生にはまだまだ価値があるって
君が
ほほ笑みさえすればね
「こんな時でも、ほほ笑もうよ」というメッセージが込められているように感じました。このCMを 製作したのは、どうやら映像を制作した会社自身のようです。そしてこの会社は、映像を制作している会社でした。
制作実績を見ると、地元ではよく見かけるCMや金沢市のプロモーションビデオで馴染みのあるものばかりでした。
「息づかいは消えない」というCMは、今、このタイミングだから流すことに意味を持たせることができるものです。
こんなCMの作り方もあるんだと、衝撃を受けました。
このCMで使われている誰もいない街の映像は、異常なんです。
こんな状態に2度と戻してはいけないとさえ、思えてしまいます。