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国会のことを知ろう【その1】

検察庁法改正案への抗議について

内閣で決議され国会に提出された、検察庁法改正法案に対して、ツイッター上で著名人を巻き込んだ異例の抗議が起きました。

一番の問題点は、内閣が認めれば検察官の定年を延長できるようにするという特例部分になると思います。

しかし、新型コロナで色々なことを決めていかないといけないのに、何故、今、公務員の定年延長を審議しないといけないの?という抗議も含まれていたので抗議の方向性が違ってしまい抗議している側で議論になってしまったのだと思います。

今回の抗議の件を理解しようとした場合、国会についてわかっていないと議論となっている根本が見えないので、国会について復習してみたいと思います。

国会とは?

国会という言葉は知っていても、では、国会はいつ開催されて、何を行っているのか?説明してくださいと言われたら、説明できますか?

学生時代に国会のことは学んだはずです。

国会は国の三権の中で最高機関になります。

三権というと三権分立が出てきます。

法を作る立法、作られた方に従い政策を行う行政、法に従わなかった場合に判断を行う司法の3つです。

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三権分立という言葉から、三権は独立したものでないといけません。

しかし、日本の行政は議院内閣制なので国会議員の中から行政の主となる内閣のメンバーが選ばれることになります。

このため、内閣が法案を作成するような三権分立に反するようなことが普通に行われています。今回の、検察庁法改正案も内閣で作られたものです。これを内閣提出案法(通称閣法)と呼んでいます。

法案の大半は閣法ばかりで、それも実際には官僚が作っているのですから、これが日本の三権分立の実態です。

これでは、行政が自分たちに都合の良い法律を作って政策を実施しているようなものです。日本の政治は国会議員ではなく官僚によって実行されているのだと僕は思っています。

そこへ更に検察官の定年延長を内閣の判断で決められるようになれば、内閣に従順な検察官だけが残り、そうでない場合は、定年になっていき、検察が内閣にとって都合の良い人ばかりになってしまい、仮に内閣が法に反するようなことを行っても検察が裁判にしなければ司法で裁くことができません。

ここを野党の国会議員の方でも誤解されているようで今、なぜ定年延長を審議しないといけないのか?というトンチンカンな抗議をすることになるわけです。

新型コロナで法として整備しないといけないことあれば、法案を作り審議するべきですが、行政で対応しないといけないことが多いので、今回の国会には3つの法案が提出されていますが、新型コロナに関するものはその内の1つだけです。

そもそも急ぎで決めなければいけない法案がないのに国会で審議できるはずがないということです。

 

日本国憲法で国会について以下のように定められています。

(自分の判断による抜粋です。)

第四十一条 

  • 国会は、国権の最高機関であつて、国の唯一の立法機関である。

第四十二条 

第四十三条 

  • 両議院は、全国民を代表する選挙された議員でこれを組織する。
  • ○2 両議院の議員の定数は、法律でこれを定める。

第四十五条 

  • 衆議院議員の任期は、四年とする。但し、衆議院解散の場合には、その期間満了前に終了する。

第四十六条 

  • 参議院議員の任期は、六年とし、三年ごとに議員の半数を改選する。

第四十八条 

  • 何人も、同時に両議院の議員たることはできない。

第五十条 

  • 両議院の議員は、法律の定める場合を除いては、国会の会期中逮捕されず、会期前に逮捕された議員は、その議院の要求があれば、会期中これを釈放しなければならない。

第五十二条 

  • 国会の常会は、毎年一回これを召集する。

第五十三条 

  • 内閣は、国会の臨時会の召集を決定することができる。いづれかの議院の総議員の四分の一以上の要求があれば、内閣は、その召集を決定しなければならない。

第六十四条 

  • 国会は、罷免の訴追を受けた裁判官を裁判するため、両議院の議員で組織する弾劾裁判所を設ける。
  • ○2 弾劾に関する事項は、法律でこれを定める。

【出典】e-Gov法令検索

国会の組織

以下の2つで構成されます。

  • 衆議院
    議員数:465人
    任 期:4年(解散あり)
    選挙権:18歳以上
    被選挙権:25歳以上
    選挙区:小選挙区(289人)、比例代表(176人)
  • 参議院
    議員数:242人
    任 期:6年(3年毎に半数を改選)
    選挙権:18歳以上
    被選挙権:30歳以上
    選挙区:選挙区(146人)、比例代表(96人)

衆議院議員参議院議員の違いは、衆議院議員が国民の幅広い声を取り入れることを目的とし、参議院議員については慎重な審議を行うために衆議院議員の行き過ぎを抑えるという目的があります。

国会開催日

常会(通常国会):

  • 毎年1月から6月までの150日間
    月末までに新年度(4月~翌年3月)の予算を成立させます。
    会期の延長がなければ終了

特別国会:

臨時国会

  • 通常国会では追加できなかった法案、追加予算案などが審議されます。
    衆参いずれかの議員の総議員の四分の一以上の要求があっても開催できます。
    延長は年2回まで

参議院の緊急集会:

  • 衆議院が解散している最中に緊急事態が起こった時に開かれる国会。
    新しい衆議院議員によって承認されれば成立する。

※国会には全て通し番号が付与され通し番号で呼ばれます。

国会の内容

本会議

委員会

  • 常任委員会(開催日時は委員会による)
  • 特別委員会(開催日時は委員会による)

委員会ですが、以下のようなものがあります。

衆議院委員会

【出典】本会議・委員会

参議院委員会
【出典】委員会:国会の基礎知識:参議院のあらまし:参議院 

日本の行政機構(概要)

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今回は、国会の基本構成ということで、ここまでとしたいと思います。

 

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