鉛は体内に蓄積する
鉛筆、という時には「鉛」が使われているので、鉛が含まれているとずっと思っていました。そして鉛は人体にも環境にも悪いというイメージがあります。
鉛の恐ろしさはその蓄積性にあります。体内に吸収されると9割以上が骨に沈着してしまいます。そのうち半分が体外に排出されるには5年かかるといわれています。これが鉛の健康被害をさらに大きくしています。
鉛筆には鉛は使われていません
鉛筆で有名な三菱鉛筆のホームページに以下のような回答が掲載されています。
鉛筆の生産に鉛は使っていません。
鉛筆は「黒鉛」と「粘土」を混ぜて作っています。「黒鉛」とは炭素からなる鉱物で「鉛筆」の「鉛」の文字と同じように鉛は使っていません。
※参考:「鉛」を使わないのに「鉛筆」とされる理由
いわゆる現在の鉛筆「以前のもの」は、鉛でできた棒「尖筆」でした。この鉛の棒は現在の鉛筆のように黒い跡は残せず、文字を真っ直ぐ書くためにあらかじめ薄く線を引く目的で用いられました。この鉛の棒を"lead pencil"(鉛の筆)と呼ぶようになり、呼び方と現在の鉛筆が一緒に輸入され「鉛筆」と訳されたのではないかと言われています。
鉛筆には身体や環境に有害な鉛は使われておらず、黒鉛(炭素)と粘土でできているんですね。
芯の種類
鉛筆やシャープペンシルの芯には種類があります。
H、HB、B、Fといった具合で、それぞれ以下のような意味があります。
- Bは、Black(黒い)・・・数字が多いほど濃く柔らかい芯
B~10B - HB・・・BとFの中間の濃さと硬さ
- Fは、Firm(しっかりとした)・・・HとHBの中間の濃さと硬さ
- Hは、Hard(硬い)・・・数字が多いほど薄く硬い芯
H~10H
黒鉛の割合が多いほど、濃く、硬くなり、粘土の割合が多い程、薄く、柔らかくなります。
シャープペンシルの芯は粘土の代わりにプラスチックが使用されています。
鉛筆の形が六角形というのも理由があり、持ちやすくするというのと置いた時に転がりにくくするということです。
鉛筆は日本でどれくらい使われている?
しかし、今の日本では多くの人は鉛筆ではなく、シャープペンシルを使用しているように思います。義務教育では、硬筆書写教育を行うとありますが、小学校1・2年生までが鉛筆、それ以上になると毛筆というのが実情のような気がします。
文部科学省では「日本語を見やすく、分かりやすく、効率的に書く」ことが出来るように、硬筆書写教育を、小1から中3まで推進しています。そのためには、正しい字を正しい筆順で、はね・とめ・はらい等の基本技術を使い、初歩のうちから覚えていくことが最も大切であると考えています。
特に低学年のお子さんは筆圧の加減が難しく、鉛筆が適しています。
ゼブラ社の調査では、約半数の小学生が日常的にシャープペンを使用しているそうです。
小学生も鉛筆からシャープペンシルに変わりつつあるということでしょうか?
では鉛筆は現在、どれくらい生産されているのでしょうか?
現在は、約2億本、ピーク時は13億本程度生産されていたので約6分の1位に減っていることになりますが、思ったよりも減っていません。
【出典】日本鉛筆工業協同組合(鉛筆生産数)
鉛筆のようなシャープペンシル
シャープペンシルは確かに鉛筆とは異なり、削るという手間がないので使うのが楽です。しかし芯が硬いということでどうしても筆圧が強くなります。このため、長く使う人には負担になります。しかし、鉛筆は筆圧をかけずに書くことができますので手への負担は減ります。そんなことから、本当は鉛筆を使いたいという人も少なくないのでしょう。そんな中で、発売されたのが「大人の鉛筆」です。
本物の鉛筆に使われる直径2ミリの芯を使ったシャープペンである。芯の太いシャープペンかと早合点するなかれ。通常のシャープペンとは芯が違うのだ。シャープペンの芯は細いので簡単に折れないようにポリマー(高分子有機化合物)が入っているんです。しかし、『大人の鉛筆』の芯は本当の鉛筆と同じ、黒鉛の粉と粘土だけを混ぜて焼いたもの。同じ芯でも書き味がまるで違います。president.jp
シャープペンシルの芯を鉛筆と同じ材質にしたって感じですね。
そして、更に鉛筆をシャープペンシルに近づけたものも発売されています。
これは僕も所有していて、マークシート式の試験の時に買ったのですが、本当の鉛筆のような感覚で使え、シャープペンシルと同じで芯が短くなればノックするだけで芯が出てきますし、芯も太いので折れる心配もありません。このため、マークシート方式の試験の時にはおススメです。
やっぱり鉛筆が良い
それでも、やっぱり自分は鉛筆の方が良いって方には、世界で初めて鉛筆を発売した、ファーバーカステルの鉛筆のスタンダードと呼ばれているものは、いかがでしょうか?以下のような、使いやすさから広く各分野のプロの方々に支持されているそうです。(Amazonで、1本150円です。)
- 紙面への、のりの良さ
- 描き味のなめらかさ
- 均一な品質
- むらのない定着性
更に、この鉛筆に、シャープナー付きのキャップや、消しゴムが付いた、パーフェクトペンシルというものが発売されています。名前にパーフェクトとあるので、価格も3,000円と普通のシャープペンシルよりも高額です。
最近は、資料を作成するのは、パソコンやタブレットでということが増えてきたとは言っても、チョットした時にはノートといった紙に手書きになります。そんな時に鉛筆を使ってみるとシャープペンシルとは一味違った感覚が味わえるのではないでしょうか?