ビール券を1年に1回程度ですが頂くことがあります。
ビール券とは
ビール券は元々は、ビールメーカー毎、全酒協で異なるものが発行されていました。
- アサヒ
- キリン
- サッポロ
- サントリー
- 全酒協(共通券)
ビールは定価販売が基本だったので、ビール券とビールは等価交換で済みました。しかし、オープン価格により販売店により価格が変わってきたことで、差額をお釣りで戻したりすることで対応していました。差額を計算するのが煩雑といった問題やビール券の価値が販売店によって異なってしまう、あいまいさ等を嫌って、アサヒ、キリン、サントリーがビール券から撤退しました。その後、サッポロも撤退を決め、現在は、全酒協のみとなっています。
ビール券には額面がない
ビール券には、「633mlびん2本とお引換え下さい」って書いてあります。その下には更に、(アサヒ・キリン・サッポロ・サントリ)と書かれてあり、この4社のビールとしか引換えできないのかと思ってしまいます。最初、どうしてビール券は金額を書かずにビール何本とか何缶で書いてあるのだろうって疑問を感じていたのですが、最近は日本の文化によるものだと理解するようになりました。日本で返礼する時に現金というのは失礼になる場合があります。
- 目上の方、及び、その親族への返礼
- 心遣いに対しての返礼
- お詫びする場合
現金を贈るというのは「立場が上のものが下のものへ」という印象を与えてしまうんですね。このため品物ということになりますが、品物だと趣味趣向を理解している方であれば選びやすいのですが、そうでない場合だと合わないものを贈ってしまうと逆に悪い印象を与えることになります。それでビール券というものが登場したのだと思います。ビール券には額面が書かれていないので、品物を贈る感覚で利用できます。(状況によっては適さない場合もあります)
ビール券も額面がわかるようになっています。
下図の赤丸部分が額面になっています。
0798と書かれてあるので、798円 ということになります。
ビール共通券は発行当時の標準的小売価格(消費税込)に基づいて発行されているため、酒販店の販売価格によっては不足額をお支払いいただく場合があるということです。また、ビール券の裏面には以下のようなことも記載されています。
- アサヒスーパードライ・キリンラガービール・サッポロ(生)黒ラベル・サントリーモルツと同等のビール大瓶(633ml)2本に限らせていただきます。
つまり、アサヒ・キリン・サッポロ・サントリーで額面のベースとなっているビールがあって、それと同等のものと引き換えできるということなんですね。
そして、販売店によっては、額面より高くなっている場合もあるので、その場合は不足額を支払って頂く場合もあるということです。
このため、633mlの瓶ビールで、価格が400円を超えるような高級ビールだと、不足分を支払うことになるということですね。
あと、消費税込みで標準的小売価格を想定していますので消費税が変わると不足分が生じる可能性もあります。昨年10月から消費税が10%に変わるということで、ビール券も2019年10月1日から新しい価格設定で新しくなっています。
ビール券は、以下のステッカーが表示されている店で利用できます。
ビール券はビール以外にも使えます。
ビール券には、ビールの銘柄まで指定するほど引換えできるビールを細かく指定しています。これだとビールを飲まない人は金券ショップなどで換金するしかないのでしょうか?
ビール券は、「全国酒販売協同組合連合会」という中小企業等協同組合法に基づき設立された団体が発行しています。
ビール券の印刷内容を見る限りは、特定のビール又は同等品との交換しかできないようですが、実際には、ビールでなくても、1品でもアルコール類を購入すれば、他はアルコール類でなくても購入できる場合もありますし、アルコール類を購入しなくても良いという場合もあります。今は、ほとんどのコンビニでも利用できるようですが、コンビニの場合だとアルコール類にしか適用できない場合もあります。
ビール券には有効期限があります。
平成17年(2005年)10月以降に発行したビール券については有効期限が設定されるようになりました。(平成17年10月以前に発行されたものは、現在も利用可能ですが、早めに利用してくださいということです)ビール券を頂いた時には有効期限を確認するようにしましょう。
ビール券は額面より購入額の方が高くなっています。
ビール券を頂いたことはあっても、購入したことがない人も多いかと思います。
ビール券は、商品券などは異なりなり、「額面 = 購入額」ではありません。
「額面 < 購入額」なのです。
具体的に説明すると、ビール券は、2019年10月1日時点で、「びん633ml×2本」のものだと額面は、1枚798円、「350ml缶×2缶」のものだと504円になります。
しかし購入額は、それぞれ、869円と、555円になります。
ビール共通券(びん633ml 2本):希望小売価格 869円(額面:798円)
ビール共通券(缶350ml 2缶) :希望小売価格 555円(額面:504円)
※お買い求めのお客様には流通経費の一部をご負担いただいております。
【出典】
これは、上記にも記載しましたが、流通経費の一部が含まれているためです。
流通経費とは?と思ったのですが、情報があまり公開されていないようです。
色々と調べた結果、下図のような流通になっているのではないかと思われます。
上図を少し説明すると、全酒協から酒類販売店がビール共通券を購入します。
ビール共通券は価格には贈与税が含まれているようです。(人に贈答するものだから?)そしてビール券共通を販売する側も利益を得ないといけませんし、ビール券を販売店が換金するには、手形と同じように銀行に依頼するので手数料が発生します。こういった費用が流通費となり、ビール券の額面に追加されて販売額になっているようです。
ビール券ですが、条件は異なりますが、ほとんどのコンビニで利用できるようです。
ビール券は、価値があいまいなことから、お釣りを返すか、返さないかは、販売店の判断ということですが、ビール券については、以下の条件で返すべきだと思います。
- ビール券に記載してあるものとの等価交換を徹底する。
- 販売価格との差額についてはお釣りとして返却する。
(不足分は支払うなら過剰分は返却するべき)
今のようにビール以外との交換を認めるのであれば、不足分については支払うのですから、過剰分は返却するべきだと思います。何故なら、ビール券は、流通経費ということで額面通りの価格で販売していないからです。通常の商品券は額面通りの価格で販売しています。額面通りの価格ならなぜ、良いのかというと、本来、現金で済むものを、わざわざ、商品券というものを手間と費用をかけて作ったのに、現金に換えられてしまったのでは、手間と費用をかけて両替をしているようなものだからです。今は両替も費用が発生する時代なので、商品券についてはお釣りは返す必要はないと考えます。
しかし、ビール券については流通経費として販売価格に全て含めてしまっていて、更に指定したビールとの等価交換だと記載しているのですから、厳守するのが筋だと思います。そして、ビールとの等価交換をしないというのであれば、現金と同じなのでビール券は現金として扱うべきという考えです。
このため、ビール券をビール以外でも使えるのに、お釣りを返してくれない店は信用できません。
しかし最近は、お釣りを返してくれることをいいことに、換金目的で悪用している以下のような事例も増えているようです。
以下は、1000円の商品券が5枚で、100円の商品を5つ購入する例です。
この事例では、100円の商品5つを1つずつ、1000円の商品券で買って、その都度、お釣りをくださいということを言っているんですね。
本来は、1000円の商品券1枚で済む金額です。
少し譲っても、1000円の商品券で返されたお釣りで残り4つも支払えます。
僕は、このような、お釣りを目的とした商品券の利用は間違っていると思います。
ちょっと、嫌な話をしてしまったので、話を変えます。
ビール券の額面を高くした、清酒券というものも、販売されているようです。
僕は、頂いた経験がないので、初めて知りました。
清酒券とは
名前が異なりますが、ビール券と同じ扱いのものです。
特撰券と上撰券の2種類に分かれていますが、ビールとは異なり、引換えの対象が共に1.8リットルびんになっており、額面が異なるようです。
※お買い求めのお客様には流通経費の一部をご負担いただいております。
【出典】
贈る方によって使い分けることもできそうですね。
ビール券(清酒券)には問題はありそうですが、根強いファンの方もまだ、多いようなので、頂いた時には、今回の話を思い出して頂き、利用して頂ければと思います。