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働き方改革による年末年始のテレビ番組の変化

年末年始のテレビを見ていると再放送が目立ちました。

特にTBSはドラマの再放送が目立ちました。

これまで、テレビ局の12月は年末年始の番組収録で徹夜は当たり前でテレビ局で寝泊まりするのが当たり前でした。

しかし、働き方改革関連法が実施されたことで、テレビ業界でも、徹夜なんてとんでもない、長時間収録は不可といった指示が出るようになっているのです。

以下は、働き方改革関連法の主な内容です。

  • 時間外労働の上限規制の導入 2019年(中小企業2020年)4月1日~
    時間外労働の上限について、月45時間、年360時間を原則とし、臨時的な特別な事情がある場合でも年720時間、単月100時間未満(休日労働含む)、複数月平均80時間(休日労働含む)を限度とする。

  • 年次有給休暇の確実な取得 2019年4月1日~
    使用者は、10日以上の年次有給休暇が付与される全ての労働者に対し、毎年5日、時季を指定して有給休暇を与える必要があります。

  • 正規・非正規雇用労働者間の不合理な待遇差の禁止2020年(中小企業2021年)4月1日~
    同一企業内において、正規雇用労働者と非正規雇用労働者(パートタイム労働者、有期雇用労働者、派遣労働者)の間で、基本給や賞与などの個々の待遇ごとに不合理な待遇差が禁止されます。

これまで、残業時間については、行政指導はあったものの、法律で規制されていませんでしたが、これが2019年4月1日から規制されたのです。

そんな中、TBSで放送されたのが、吉高由里子さん主演の「わたし、定時で帰ります」です。これ、テレビ局側の色んな思いが込められていたんでしょうね(笑)

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ドラマは残業規制の関係もあり、前倒し撮影に変わりました。撮影時間短縮のため、こだわりは排除して大きな問題がなければOKという時間優先に変わった現場もあるようです。

ドラマの撮影に関わるスタッフは仕事量が多いこともあり休みは、ほぼなくなるので、2クール連続でドラマ制作には関われなくなった局もあったようですが、これだと人が余ってしまうので、かなり余裕をもって前倒し撮影ということになるのでしょうね。前倒し撮影だと冬のシーンを夏場に撮影ということや、その逆もあるので、キャストの方は夏に冬服、冬に夏服と大変です。このため1年前から撮影するという話も出てきます。

NHKの朝ドラ(なつぞら)は、2019年4月からの放送でしたが、撮影は2018年の6月からでした。そうするとキャストはこの間、拘束されてしまうので、他の仕事を入れるのが難しくなりますし、昨年多かった芸能人の薬物使用による逮捕があると既に撮影済みになっていて撮り直しができないかとシーンの差し替えもできないということにもなります。

NHKはこのようにかなり前から撮影することが多いので、キャストの不祥事があると大変だと思います。

これまで視聴率が悪ければ放送中に脚本を変えるとか設定変更といったこともできていましたが、前撮りだと既に撮影が完了しているのでできなくなります。

これまでと同じようにしようとすると、人を倍に増やして、昼夜のシフト制にするしかなくなります。予算は変わらないか、減る方向で人件費が増えれば他の予算を削るしかなくなり番組の質は落ちます。

このような状況であるにも関わらず、テレビ朝日報道ステーションで大量の派遣切りという報道がありました。

www.nikkan-gendai.com

報道ステーションでハラスメント事案という報道と関係があるのでしょうか?

このような状況ですから、豪華なセットで沢山の出演者を集めた年末年始番組を何本も収録することができないので、再放送中心の番組構成になってしまったのでしょう。

しかし、カンニング竹山さんは、テレビ局の資金不足が理由だということを述べられています。そして、再放送が視聴者が一番望んでいた形だったのでは?ということも述べられています。

dot.asahi.com

最近のテレビ番組は、街中をブラブラ歩いたり、バスの旅といったようなロケ番組が増えているように思います。セットなどを用意する必要もなく、タレントを何人か集めて街中を歩くだけですから費用も安上がりになります。何より視聴者が、そういう番組を望んでいるとなれば製作サイドにすれば願ったり叶ったりです。

しかし、そういう番組作りをしていると、これまで関わってきた制作会社等は仕事が減ると思われますが、実際はNetflixなどの配信番組がドラマ制作などを行うため、そちらで減った仕事が補えるように変わってきている。

働き方改革が、テレビ業界に良い影響を与えるのか、悪い影響を与えるのかはわかりませんが、法律で強制的に改革を迫られているのは間違いありません。Netflixのようなネット配信会社が増えてきたことでテレビ局のビジネスモデルが今後も成立するのか?ということも問われています。

テレビを見てもらえなくなってきた時代に、追い打ちをかけるように、番組制作時間の制限による質の低下となると、更にテレビ離れが進むことになります。テレビ業界は働き方により、番組制作の改革も迫られているのです。