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もっと早く教えてくれよって思った内容を書いていきたいと思います。

いきなりステーキは、生き残れるのか?

いきなりステーキの運営会社である、株式会社ペッパーフードサービスが業績予想を修正し、配当についても無配当になるということで以下のように修正されました。

売上高:76,423百万円  → 66,536百万円

営業利益:2,061百万円 → △731百万円

修正の理由は以下の通りです。

  • 2019 年 12 月期第3四半期累計期間における連結業績は、いきなり!ステーキ業態において自社ブランド同士の競合が発生していることを鑑み、当初の出店計画を 210 店舗から 115 店舗へ見直し、既存店の売上対策に注力してまいりましたが、引き続き自社ブランド同士の競合などの影響が払拭できず、既存店の売上高は大幅に落ち込みました。自社ブランド同士の競合を解消する為に検討した結果、いきなりステーキ業態を 44 店舗退店することを決定いたしました。これらの結果、既存店の営業損益の減少及び、退店の決定に伴う特別損失を計上することなどから、2019 年6月 28 日に公表した業績予想を上記のとおり修正いたしました。

【株式会社ペッパーフードサービス

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修正前の利益率が、2.7%程度なので、利益率が高い事業ではないということなのでしょう。このため、今年に入って取締役の辞任、人事異動が目立っています。

自社ブランド同士の競合で売り上げが大幅に落ち込んだということですが、東京で確認してみると・・・

虎ノ門で神谷町店、虎ノ門店、新橋・日比谷で新橋日比谷口店、新橋店、赤坂で赤坂通り店、芝大門には大門店があり、1Km以内に6店舗もあります。

このような場所に利益率の低い店をオープンさせれば、客足が少しでも落ちれば赤字に転落するのは当然だと思います。

飲食業では、食材費、人件費、家賃の比率が、それぞれ30%で残り10%で利益となるようにするのが教科書通りのようです。
対して、いきなりステーキは、食材費が55%利益が2.7%なので、残り42%が人件費と家賃になります。人件費と家賃は、そう変わりはないと思うので、それぞれ約20%になるのかと思います。

食材費の比率を高くするのであれば、人件費、家賃、利益を削るしかなくなります。
食材費が高騰すれば更に食材比率が高くなり経営を圧迫することになります。

吉野家も決して食材比率は低くはありませんが、それでも35%で、いきなりステーキよりはかなり低いです。その吉野家でも2019年1月には15億円の赤字ということで報道されていました。

www.dailyshincho.jp

いきなりステーキの食材費は以上に高いので牛肉が高騰すれば、更に利益率が下がります。経営判断が甘いとしか言えません。

松屋グループが、ステーキ屋松を三鷹、下北沢、吉祥寺にオープンしています。
いきなりステーキに勢いがあった頃の様子を受けてのオープンだと思います。


ステーキ屋松の松ステーキは、なんと200g 1000円で、スープ・サラダバー付きだということです。(ライスは別で150円)いきなりステーキで一番安価な、リブロースステーキが、200gで1,380円です。そして、肉はミスジという肩肉です。
柔らかいのが特徴です。ステーキと言うと、サーロイン、ロース、ヒレというイメージですが、牛1頭から1Kgくらいしか取れない希少部位だということです。
(下図の赤丸の部分がミスジです)

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ファミレスなどでもミスジステーキが提供されていましたので、希少部位といってもあまり食べらていない部位なので、安く入手できるのではないかと思います。
更に、ステーキ屋松は、現在は、都心からは離れた場所で客足が多い地域を選んでオープンしています。いきなりステーキよりは、色々と考えられている気がします。

2019年3月に三鷹店、2019年10月下北沢、2019年11月吉祥寺と順調に店舗数を増やしてきていますので、悪くはないということなのでしょう。
これで評判がよくなってくれば、いきなりステーキには怖い存在になりそうです。

いきなりステーキですが、僕は正直、美味しいと感じませんでした。まぁ価格を考えるとっていう点はあるのですが、価格を考えると仕方ないっていうものは長く続かないと思うんですよね。安くてても美味しくなければ定着しません。

安くて旨いと言えば吉野家です。吉野家の牛丼も価格だけでいうとかなり安い肉を使っているはずですが、それでも長く続いているのは、吉野家の牛丼は安くて旨からなんですよね。実際、僕も吉野家の牛丼は美味しいと思います。それは価格を考えてということではなく、美味しいのに安いということです。

いきなりステーキは、単に安いステーキというのが売りだと思いますが、コスト面では更に安いステーキ屋松が出てきました。しかも座って食べられます。高いのに立ち食いでは、いきなりステーキの価値は何もなくなってしまいます。旨くて安い、そんなステーキを作っていくことが、課題ではないかと思います。

しかし、いきなりステーキは、肉マイレージのような味とは関係のない部分でリピーターを増やそうとしています。
僕のように1回しか行ったことがない人も少なくないと思いますが、無性にいきなりステーキが食べたいって感じにしていかないと、更に閉店が続くような気がします。