seegeのまとめサイト

もっと早く教えてくれよって思った内容を書いていきたいと思います。

ラジオの深夜放送とBCLがブームだった頃

最近、ラジオを聴くことがなくなった。

ラジオといえば、深夜放送で「オールナイトニッポン」、「パックインミュージック」が懐かしい。金沢では北陸放送MRO)が唯一のAM民放局になる。文化放送、TBS、ニッポン放送制作の番組にオリジナルの番組を加えて放送していたので、「オールナイトニッポン」は金沢では全てが放送されていなかった。

このため放送されない時間帯については、ニッポン放送(1242KHz)を金沢から聴いていた。東京の放送が金沢で聞けるのか?と思うかもしれないが、確かに昼間は全く受信できないが、夜から深夜、早朝までは、かろうじて受信することができた。しかし、クリアに聞くことはできず常時、雑音交じりの音声で、時には音声が雑音にかき消されて全く聞こえなくなることもあった。最終的には、有線放送(USEN)を契約した。そうすると東京のAM放送が金沢でクリアに聴くことができた。

f:id:seege:20191220041558p:plain

ラジオの深夜放送がブームだった頃、BCL(Broadcasting Listening / Listeners)という国際放送を聞いて、放送局に受信報告書を送付して、放送局のベリカードを集めることもブームだった。

こちらは、国際放送ということで、AM放送ではなく短波放送(SW)で普通のラジオだとAM/FM放送しか聞けないので、親に短波放送を聞けるラジオを購入して、もらって聞いていた。短波放送を受信するラジオというと、SONYスカイセンサーが有名だった。スカイセンサーと言えば、ICF-5800(1973年発売)で、短波帯の受信周波数の上限を28Mhzまでカバーした画期的なラジオだ。その後、更に画期的なラジオが発売される。I普通のラジオは周波数のチューニングはツマミをゆっくり回しながら手探りで目的の周波数に合わせるのが当たり前だった。それを10KHz単位で指定できるようにしたのがICF-5900(1975年発売)だ。これにより周波数の微調整が劇的に楽になったのと、待ち受け受信が可能になった。短波放送を聴く場合、放送が始まらないと受信周波数を合わせることができない。これが10KHz単位でできれば、放送前に合わせておくことが可能になる。すると放送開始と同時に聴くことができる。僕はそれまで前日に周波数を合わせておき、次の日までそのまま放置するという方法を取っていたが、これだと他の放送を聴くことができなくなる。

その後、アナログ機最高と言われるラジオが発売される。松下電器(現Panasonic)のクーガーRF-2200(1976年発売)だ。ICF-5900のチューニング操作の欠点をクリアした。

通常のラジオのダイアルは低い周波数は幅が広く、高い周波数になるほど幅が狭くなっていた。しかしこのクーガはこれを等間隔にした点が画期的だった。

僕は最終的には、録音もしたいということで、CF-5950という、ICF-5900にカセットデッキの機能が付加されたものに落ち着いた。その頃は、月刊短波という雑誌を定期購読し、短波放送を受信するために、家中にアンテナを設置したりもして、かなりのお金を費やしていた。
国際放送といっても、外国語ばかりでなく、日本語放送を提供していたラジオ局も多かった。今、覚えている限りで、以下のラジオ局が日本語放送を行っていた。

北京、韓国、北朝鮮、ロシアは比較的距離が近いこともあり凄くクリアに受信できた。日本の裏側であるアルゼンチンになると、幻の放送局で、電波の伝播状態がベストの状態でないと聴くことができない。聴けたとしてもかなりの雑音交じりで内容を聞き取ることさえ困難だった。しかし、そんな聞き取りにくい放送局ばかりではない。遠い国でもクリアに受信できるものもあった。放送内容は国により様々で、ラジオ オーストラリアは放送前にワライカセミの鳴き声から始まったり、北朝鮮の放送は、今でもテレビのニュースでよく見かける硬い感じの放送。そんな放送を聞いていると何となく海外に行った気分が味わえた。

受信報告書を書く時に、受信状態を数値で表せるようにしたSINPOコードというものがある。SINPOコードは、以下の5項目をそれぞれ5段階で評価できるようにしたものだ。そして受信報告書には放送の感想などと一緒に、SINPOコードも必ず記載した。

  • Signal Strength( 信号の強さ)
  • Interference(混信)
  • Noise(雑音)
  • Propagation Disturbance(伝播障害)
  • Overall Rating(総合評価)

これと返信用のエアメール封筒、国際返信切手券(IRC)を同封して送付していた。

国際返信切手券(IRC)というのは、一枚送付すれば、先方が現地の事業所で原則として手紙(航空便)の基本料金分の現地切手と交換できるものだ。

印象的だったのは、北京放送のベリカードと一緒に送られてきた切り絵。赤色で、どのように切ったのかわからない実に細かい絵だ。そしてドイチェベレは、ドイツ語を学習するためのテキストが送られてきた。

以下にも海外からという状態で送られてくるので届いた時には、凄く感動した。

BCLを行っていたことで、海外へ郵送する場合には、送付するものの重量を測り、重量に応じた切手を買って送らないといけないということや、海外に行かなくても国ごとには時差があり、そして世界には標準時間というものがあることも自然と意識するようになった。

東京の放送が夜だと金沢でも受信できるのは、電波が反射する電離層の状態が昼と夜で変わり、昼には存在する、D層が夜は消滅し電波がD層に吸収されずE層で反射するため遠くにまで届くといったことも自然と理解できるようにもなった。

BCLは、こういう知識が知識で終わらず、実際に体験することができる。ゲームでは味わえないかと思う。 

 
そんなBCLは今も続いているのだろうか?と気になったので検索してみた。

自分が期待していたBCLよりも、別のものが多く出現してきた。

ということは、BCL用のラジオも発売されていないのだろうか?と更に調べてみた。

すると、見つかった。
スカイセンサーで一世を風靡したSONYは、既に短波ラジオからは撤退したようで、ICF-SW7600GRが最後の商品で生産もされていない。

 

 今、新品で購入できるもので評価の高いものは、以下のものらしい。

 TECSUNという中国の企業が生産しているもので、デジタルとアナログ、両方に対応したチューニングが可能なのでデジタルでピンポイント指定してアナログで微調整という感じの使い方になるのだろう。

 

短波放送局も日本語放送を行っている局は減少方向のようで、BBCドイチェベレは日本語放送がなくなったようだ。

幻の放送局と言われた、RAE(アルゼンチン)がまだ継続しているので、年末の大掃除で短波ラジオを見つけたら、チャレンジしてみたい。