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もっと早く教えてくれよって思った内容を書いていきたいと思います。

ZARDドキュメントブック『永遠 ~君と僕との間に~』を読みました。

今日(2019年10月26日)の午前中、僕は病院で検査でした。
待ち時間に『永遠 ~君と僕との間に~』を読もうと待合室でカバンから本を取り出し、ページを開くと、いきなり、ZARDの未公開画像がこれでもかというくらいに出てきました。

こんなに、まだ未公開の画像があったのか・・・って感じです。
そして、その画像からは蒲池幸子の面影は感じられず、ZARD坂井泉水しか感じられませんでした。

これだけの画像と表に出ていない「思いついた言葉を書き留めていたノートやメモ」が残っているのですから、彼女が望んでいた、著者 坂井泉水のエッセイ本が出版できそうですね。

写真の終わりは、「君と僕との間に 永遠は見えるのかな」との直筆メッセージです。

そしてプロローグを読んでいると、看護師さんが「サカイ イズミさん!」と呼ぶ声が耳に入ってきました。ZARDのファンの方って、きっと、こういった偶然を沢山、経験されていますよね。僕はサービス精神が旺盛な坂井さんのサプライズだと思っています(笑)

本の内容は、実際に読んで頂くのが一番だと思いますが、一つだけ言えるのは、前作の「きっと忘れない」に画像が追加されただけのものとは違うということです。
文章で確かに重なる部分も多くありますが、前作の文章を、そのまま持ってきたというものではありません。だから、前作を読まれた方でも新しい発見が沢山あるはずです。

といっても、これだけだと、どんなことが書いてあるのかわからず本屋に走ろうという気にならないかもしれないので少しだけ紹介しますね。

AERA dot.で今回の書籍の内容と重なるような記事が公開されています。
現在、第1回~7回までが公開されています。読み応えのある内容が多く書かれていますのでZARDファンであれば必見だと思います。

永遠の歌姫ZARDの真実

第1回

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第2回

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第3回

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第4回

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第5回

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第6回

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第7回

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2019年10月に、この本の紹介を兼ねた特集が放送されていましたがそちらも、これらの内容がベースになっていた感じです。

上記の内容と重なるかと思いますが、僕が注目した内容の一部を記載します。
以下は、坂井さんの好きな短歌です。

友がみなわれよりえらく見ゆる日よ

花を買ひ来て

妻としたしむ

石川啄木 歌集 「一握の砂」より

一握の砂・悲しき玩具―石川啄木歌集 (新潮文庫)

一握の砂・悲しき玩具―石川啄木歌集 (新潮文庫)

 

「友がみなわれよりえらく見ゆる」というのは、友達がみんな出世して自分より偉くなったように見えるというということではなく、自分自身の問題で落ち込んだことで友達が偉く見えたということです。この部分を勘違いすると、次の文以降の解釈を誤ってしまうことになります。そして石川啄木は「花」を買います。この「花」というのは百合の花だということです。
百合の花ではありませんが、坂井さんが好きだった「カラー」をイメージしてしまいます。
そしてその花を妻と眺めたというのです。

takuboku-no-iki.hatenablog.com

短歌なので色々な解釈が、あって当然です。

僕は「花を妻としたしむ」という部分を自分なりに解釈するのに時間がかかりました。結局、以下のような解釈に落ち着きました。

  • 自分自身の問題を一人でくよくよ考えていても悪いことしか思い浮かばないので、一人だけではなく自分の理解者である奥さんと花を一緒に見ながら花について語り合った方が良いことが思い浮かんでくるさ

同じような内容で、映画「風と共に去りぬ」をヒントに作った坂井さんの詞があります。それは、「Today is another day」です。

映画のラストシーンがヒントになっているそうです。
ラストシーンでのスカーレット・オハラのセリフが「Tomorrow is another day」です。直訳だと「明日は別の日」って意味になります。しかし、日本で定着している訳は「明日は明日の風が吹く」です。

「今日がダメでも明日があるさ」って感じです。


それを坂井さんは、「Today is another day」に変えました。
その歌詞の中に以下のようなフレーズがあります。

悲しい現実をなげくより

今 何ができるかを考えよう

今日が変わる。

「今がダメだとなげいていないで、今、何ができるのか考えよう!するとダメだと思っていた今日が変わる」っていう意味ですね。

短歌や映画の一部だけを色々と考えているだけで色んなことが思い浮かんできます。そんなことから坂井さんは、日常生活の中での会話や電車やカフェでの他人の会話といったことさえもヒントになると気が付いたのではないでしょうか?そんな坂井さんが、「好奇心だけが頼りでした。詞を書く秘訣をあげるならば、私自身がリスナーであることです」と言っています。

詞を書こうとするのではなく、日常生活を好奇心というアンテナを頼りに色々な言葉を受信していくことで自然と詞に繋がっていくということです。特に大切なのは人が当たり前だという部分を聞き逃さないということです。人が共感できる言葉って当たり前のことなんですよね。普段あまり使わない言葉を使っても共感は得られないはずです。

音楽の世界で「エバーグリーン」という用語があります。

エバーグリーンは常緑という意味です。そこから不朽を意味する、時を経ても色褪せない曲というニュアンスで使われるそうです。

ZARDの曲・詞は、今、聞いても色褪せていないものばかりです。
坂井さんがエバーグリーンを目指していたのかどうかは、わかりません。
しかし坂井さんが詞を書く時に自分の秘訣に従ったことが、結果的にエバーグリーンに繋がったのではないかと思います。

それともう一つ、坂井さんは、曲を選んでから詞を作っていたということです。音楽は詞よりもメロディだと僕は思います。メロディにあった情景を思い起こさせる詞、メロディを邪魔しない詞ということが重要だと思います。
そのためには、曲を選んでからの作詞というのは理に適っているはずです。

坂井さんは、1967年2月6日 大雪が降った日の翌日に神奈川県で生まれました。
そして本人が「好奇心だけが頼りだ」と言っているように小さいころから色んなことに興味をもったそうです。
それは大人になっても変わらず、現在は映画監督である岩井俊二さんが、ZARDのミュージックビデオを撮影していた頃のエピソードを次のように語っています。

初めてお会いした時はクールな、こう・・・ルックスがきれいですからねそういう風にしか見えないですよね。実際は凄い・・・なんていうんですかね・・・言い方は悪いですが天然ちゃんっていうか、愉快な子でしたね。すごく好奇心旺盛な子で撮影中も「これ何ですか?」「あれ何ですか?」って聞くんですよ。撮影用の「カポック」っていう発泡スチロールの板ですけど、「あれは何だ?」っていうことになって、これ「カポック」っていって照明に使うんだよって教えたんですけど、次の撮影の時に、「監督、嘘つきましたね!」って言ってきて魚屋さんで発泡スチロールで、魚を入れる箱あるじゃないですか、あれを見つけて、「これカポックだよね?」って言ったら「違う、発泡スチロールだって」言われたって・・・非常に困って、「発泡スチロールで、できた照明道具をなぜかカポックって言うんだよって」もう一回説明しても、なかなか信用してもらえなかった・・・

 

ZARDのCDジャケット写真などを見ると、岩井監督がコメントされているように物静かな感じの女性にしか見えません。しかし、実際の坂井さんは見た目とは違う、天然さんです。それは、ZARDの会報に坂井さんが書かれている文からも想像できるはずです。しかし、こと音楽に関しては、天然さんではなくなり、一途さんに変わります。
妥協はせず、何度でも納得がいくまで繰り返す。

そんな坂井さんが、この本を読んでいると見えてきます。
ここで書いたことは、本の一部です。
他にも沢山、この本で初めて知る内容も沢山書かれていました。何よりも最初の沢山の未公開写真によりZARD坂井泉水が感じられます。

幻冬舎さんが発行していることもあり、書籍としては前作よりも優れているように感じます。前作は、スタッフの証言を切り貼りしたものをまとめただけって感じでしたが、今回はストーリー性が高くなっていてまるで、坂井泉水物語を読んでいるかのようです。


テレビでの特集効果もあり、凄い売れ行きで、大型書店でも店頭にはないという場合もあるようです。
11月に入ると再入荷するということなので是非、お早めに購入の検討をしてみてください。(Amazonランキング(本の部門総合で13位 2019年10月27日AM8:44現在))

永遠 ~君と僕との間に~

永遠 ~君と僕との間に~