参議院埼玉選挙区補欠選挙に、今年7月の参議院選挙で当選したばかりのN国党 立花議員が立候補するということで話題になっていました。そして、もう一つ、異例なのが既成政党擁立がないということです。前知事で無所属の上田清司氏が無投票で当選すると見られていたので上田清司氏にすると、さぞかし驚いたことでしょう。
今回の補欠選挙は前参院議員の大野元裕が、8月の埼玉県知事選に出馬するということで参議院議員を辞職したのに伴うものです。これを立花氏は、大野氏が7月の参議院選挙の前に辞職していれば、今回の補欠選挙は不要で、選挙にかかる約22億円が不要になっていたはずだと言ってる訳です。
確かに、残り3年の任期を残して知事選に立候補というのは無責任だと思います。しかし、この点に関しては立花氏は5年以上の任期を残して議員を辞めているのですから、更に無責任だと思います。しかも、次の衆議院選挙が本命だといった発言もされていますので、発言が真意だとすると、仮に今回の補欠選挙に当選したとしても、最長でも2年後の2021年9月には辞任することになるので、任期を残して途中で放りなげてしまうことになります。それでN国党の誰かが比例で上がってくるということです。色々と政策を政見放送で語っていましたが、N国党の議席を増やすことだけが目的なのは明白です。
立花氏の公式ホームページ(しっかり更新されています)
上田氏の公式ホームページ(ずっと更新されていない感じです)
さて、そんな二人の一騎打ちとなった補欠選挙ですが、どのような政策を掲げているのか以下に記載します。(届出順に記載します)
立花孝志
1 NHKをぶっ壊す。
- 特に説明はありませんでした・・・
2 消費税を10%から5%に戻す。
- 消費税を減税し消費を増やすことで税収アップ
4 既得権益をぶっ壊します。
【参照元】
上田きよし氏
1 地方重視の政治
- 警察官の増員は知事の権限でできない。
- 医師の確保も国が雁字搦めに占めている。
2 持続可能な社会保障制度
3 行財政改革
4 SDGsの日本版
- 日本には7人に一人が貧困で、まともに食事ができない子供が沢山いる。 誰一人残さない社会を本気で作る必要があります。
【参照元】
過激な政策と無難な政策との一騎打ちって感じですね。
立花氏は、敵は悪という内容で、今回の補欠選挙は現埼玉県知事の大野氏による税金の無駄遣いだというところから消費税を5%に戻しスマートフォンに助成金を支給しますという政策をあげました。そして最後は既得権益の批判で締めました。上田氏は、埼玉県県知事としての実績から始まり、社会保障制度、行財政改革、SDGsと無難な内容でした。残念ながら、両名共に問題定義だけで、どのように実現するのかという内容の説明がなかったので、具体案については考えられていないような印象を受けました。
民主党政権の教訓で、問題定義だけを行う政治家は何もしないか、混乱させることしかできないということがわかっていますので、両名共に既得権益になりそうな感じです。
選挙演説も対象的でした。上田氏の応援には現役国会議員に対して、立花氏は著名人です。正直、政治の世界は政治家同士のつながりなので、色々な国会議員と交流のある上田氏に軍配が上がる気がしますが、上田氏は無所属で出馬しており、与野党と距離を置いた感じです。票を集めるには、立憲民主党のお膝元である埼玉県なので野党の支持が必要です。無所属とすることで自民党票もうまくすれば獲得できると考えているでしょうね。上田氏の気持ちとしては自民の方に向いているでしょうから野党公認で出馬するわけにもいきません。その結果が無所属ということなのでしょうが実際は自民党と考えるのが妥当なのではないかと思います。
そして、選挙ドットコムが電話とネットで埼玉県内の有権者に対して調査を行ったそうです。
その結果、上田氏が大きくリードしているようです。
また、選挙に行くか?という質問に対しても電話調査では7割以上が行くという回答だったようです。ネット調査の2割強だということなので、電話調査の回答者は高齢層、ネット調査に回答したのが若年層だったということなのでしょう。話題になっている選挙なので投票率は上がる可能性もあるように思うのですが、立花氏は、投票率が上がらないとみているようです。立花氏にすれば投票率が低ければ上田氏の固定票に及ぶはずはないでしょう。落選したら11月3日に告示される神奈川県海老名市長選に立候補すると表明しています。これは、撃沈覚悟で注目を集めて投票率を上げるという目的もあるのでしょうね。これが凶と出るか吉と出るか、10月27日(日)の投票結果ではっきりします。