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ラグビーワールドカップ 南アフリカ代表について

日本代表は、スコットランド戦に見事勝利しプール戦を1位通過しました。
後半になってスコットランドの猛攻が続きましたが、日本は何とか前半のリードを守り抜きました。
プールAの1位ということで、決勝トーナメントは、南アフリカが初戦の相手になりました。

南アフリカというと前回大会で、日本が歴史的勝利をあげたということで大騒ぎになった時の対戦相手です。

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南アフリカはプール戦は、以下のようにニュージーランドに負けはしたものの、その他の国には完勝しています。

ニュージーランド戦:13 対 23
ナミビア戦:57 対 3
イタリア戦:49 対 3
カナダ戦:66 対 7

特筆する内容は、ディフェンスだと思います。
ニュージーランド戦については、23点取られていますが、ニュージーランドの得点力は高く、南アフリカ戦以外は、60点~70点を挙げるチームなのです。そのチームを23点に抑えていることが逆にディフェンス力の高さを証明しているように思います。
つまり、トライやペナルティキックでの得点が、なかなか奪えないチームだということです。プール戦、トライされたのは、ニュージーランド戦で、2つ、カナダ戦で1つだけです。そして、それはワールドカップ開幕直前に行われた、リボピタンDチャレンジカップで日本と対戦した時でも証明されています。

対戦結果は、日本が 7 対 41で完敗でした。
そして、日本の得点は1トライ1ゴールだけという結果です。

では、南アフリカの基本情報です。

国名:南アフリカ共和国

場所:アフリカ大陸最南端(下図参照)
国土面積:日本の約3倍
人口:約5800万人
公用語:英語を含め、11あります。

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南アフリカというと、金やダイヤモンドの世界的産地です。そして、1991年までアパルトヘイトによる合法的な有色人種に対する人種差別が行われていた国でもあります。民主化後は、アフリカ第2位の経済大国となっています。 

次は南アフリカラグビーについてです。

現在は、世界ランキング5位ですが、イメージ的にはニュージーランドに次いで世界2位という印象が強いです。ちなみに現在、世界ランキング 3位のイングランドとのテストマッチの対戦成績は以下の通りです。

南アフリカの42戦25勝15敗2分(2018年11月現在)

2000年以降の対戦成績

  • 13勝9敗1分(2018年11月現在)

参照元

世界ランキングというのは、各国と同じ試合数をしているわけではないのでどうしても偏りが生じます。このため、実力と世界ランキングが一致しているとは個人的には考えていません。つまり、個人的にはイングランドより南アフリカの方が強いという認識なのです。

南アフリカはフィジカルが高いだけでなく、セットプレイ、ディフェンス能力の高い攻守のバランスが取れたチームです。

ヘッドコーチは、南アフリカ出身の、Johan 'Rassie' Erasmus ヨハン・ラシー・エラスムス氏です。日本にワールドカップで負け2016年以降低迷が続きましたが、2018年にヨハン氏がヘッドコーチに就任するとチームは格段に変わりました。ヨハン氏のラグビーは、伝統的な強固なディフェンスとFWのパワーを活かしつつ、スピードのあるバックスの選手を使ったダイナミックなラグビーです。誰にでも率直に話すので選手やスタッフからの信頼も厚いことから選手をまとめることもできる指導者です。
2018年のイングランドとの3連戦では2勝1敗と勝ち越し、ザ・ラグビーチャンピオンシップではアウェーでオールブラックスにも勝っています。

南アフリカは、キャプテンのSIYA KOLISI シヤ・コリシ(バックロー)が中心のチームです。その中でも今大会は以下の5名の調子が良さそうです。

HANDRE POLLARD ハンドレ・ポラード(スタンドオフ)

ELTON JANTJIES エルトン・ヤンキース(フライハーフ)、

COBUS REINACH コブス・レイナック(スクラムハーフ

MAKAZOLE MAPIMPI マカゾレ・マピンピ(ウイング)

MBONGENI MBONAMBI ボンギ・ンボナンビ(フッカー)

ハンドレ・ポラードは、走る、パス、キックの3拍子が揃った司令塔です。
エルトン・ヤンキースは日本でもプレイしていた選手で南アフリカの中では小柄ですがスピーディーにディフェンスをかわしていくので要注意です。
コブス・レイナックは今大会、カナダ戦で11分間という史上最速でハットトリックを達成した選手です。マカゾレ・マピンピも日本でプレイしている選手で、9月の日本戦ではハットトリックを達成しています。ボンギ・ンボナンビは今大会、3トライ15得点を挙げています。

そして、あと怖い存在が2名います。

PIETER-STEPH DU TOIT ピーターステフ・デュトイ(バックロー)
MALCOLM MARX マルコム・マークス(フッカー)

ピーターステフ・デュトイは、ボールのあるところにデュトイありと言われるほど、運動量の多い選手です。そして激しいディフェンスで相手の動きを止めます。マルコム・マークスは、世界最高のフッカーとも呼ばれている選手で現在、日本でもプレイしています。南アフリカは日本でのプレイ経験がある選手が多いというのも脅威ですね。

以下は、ワールドカップ2019でニュージーランドと対戦した時のハイライト映像です。

参照元

得点力がありディフェンス力もあるチームで更にフィジカルでも世界トップクラスです。そして日本でプレイしている選手が多いので日本のラグビーについても熟知しています。正直、スキが見つかりませんが、スコットランドのグレガー・タウンセンド ヘッドコーチが、10月13日の日本との対戦後に次のように語っています。

がっかりしている。8点差以上の勝利を手にすることができなかった、序盤は攻守ともに良いスタートを切れたが、前半の残りはボールが見えていなかった。彼らが長い間ずっと一緒に時間を過ごしてきたこと、そして自分たちのラグビーを熟知していることが分かる。持ち味の速いラグビーを仕掛けてくる。彼らには本当に優れた選手がそろっている。フォワードのボールキャリアー、そしてバックスの選手たちもかなりのスピードを兼ね備えており、今は自信に満ちている。

日本は手ごわい相手になる。南アフリカは苦戦するだろう。

www.afpbb.com

ニュージーランド代表のハンセン監督は9月14日に以下のように語っています。

8強入りした日本を強豪の10カ国・地域を示す「ティア1」と見なすかと問われ「間違いなくそういうことになる。質の高いラグビーをしており、誇りに思うところまできている」と絶賛した。

 日本は2番手グループの「ティア2」に属する。台風19号で甚大な被害が出た中、ホスト国が躍進し「日本の皆さんが大変な中、ポジティブになる内容をつくった」と語り、被災者への同情も示した。

this.kiji.is

 

そして、南アフリカのメディアも、日本がアイルランドに続きスコットランドも倒したことで、以下のように日本の強さを認めています。

準々決勝で激突する南アフリカメディア「Sowetan live」が「日本は、勝ちたい気持ちを持っているだけでなく、実際にそれを遂行できるチームであることを再び示した」と称賛した。

 大会前の強化試合では41-7で南アフリカが勝利している。2週間前に勝利を収めているが、南アフリカが日本の首都で挑む“怪物”はかなり異なるものだと指摘。地元の大声援を背に受け、大会に入って見違えるような活躍を演じているホスト国に警戒を強めた。

 また、南アフリカ放送局「スーパースポーツ」も「日本は衝撃的な前半のパフォーマンスで、スコットランド相手に28-21の素晴らしい勝利を飾った」と序盤の戦いぶりを中心に称賛。「横浜の情熱的なホームファンが日本史上初となる準々決勝進出を後押しした」とも伝えている。

 15年大会では1次リーグで日本と戦い、よもやの敗北を喫した。「来週、日本が2015年W杯の再現を果たせば、それは大きなサプライズであることは明記しておきたい」とした一方で「今大会の彼らのパフォーマンス、特に6万7000人の情熱的なファンの前で見せた今夜のプレーを元に考えれば、日本が勝利しても4年前ほどの驚きはないだろう」と当時と比較しながら、強さを認めた。

最後に、南アフリカのヘッドコーチ、ヨハン氏も以下のように語っています。

日本の8強入りに驚きは全くない。世界ランキング7位の日本を倒すための準備をしたい。9月6日に日本のW杯壮行試合として対戦した際は41―7で大勝しているが、われわれも日本も大会中に成長している。週末はいい試合になるだろう。

this.kiji.is

今の日本は、ワールドカップ直前に南アフリカに大敗したチームとは別物に変わっているのかもしれません。実際、そうでなければ、アイルランドスコットランドに勝って全勝でプール戦を1位突破はできなかったはずです。プール戦のどの試合も見ていても、何故か負ける気がしませんでした。10月13日スコットランド戦の後半、連続で2トライを奪われた時は流石に負けるかもしれないと不安になりましたが、その後はどこか安心感がありました。

日本は、世界ランキング1位になった経験のあるアイルランドに勝ったチームです。
南アフリカは世界ランキング5位なので勝てないはずはありません。
しかし、ランキングと実力は必ずしも一致しません。
ということで南アフリカアイルランドの対戦成績で比較してみます。
2017年11月の時点で、南アフリカの26戦18勝1分でした。
しかし、2000年からという条件に変えると、14戦7勝7敗の互角です。

参照元

対戦成績上は、アイルランドと互角の南アフリカです。
日本は、2015年のワールドカップでの南アフリカ戦を再現してくれるかもしれません。
日本代表は日々強くなっているとすれば、南アフリカにも勝てるはずです。
10月20日は日本の勝利を信じて応援したいと思います。