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雨傘運動のリーダ「黄之鋒さん」と民主の女神「周庭さん」

香港で政府への抗議デモが続いている問題で、香港警察が2014年の民主化デモ「雨傘運動」のリーダーら著名活動家が一時拘束されました。

以下は、その時のニュース動画です。

参照元

  • ANNnewsCH

雨傘運動の主力メンバーを拘束、警官がデモ隊に偽装し火炎瓶を投げたり、デモ隊をテロリストと同じにしようと情報戦を展開するようになってきました。実際、米フェイスブックツイッターは8月19日、900件を超える不正アカウントが中国政府による情報操作に使われていたと公表しています。

www.nikkei.com

情報戦に利用されるほど、影響力をもつ黄之鋒(コウ シホウ)氏、周庭(シュウ テイ)氏とは、どのような方なのでしょうか?

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黄之鋒氏は、雨傘運動の元リーダー、そして周庭(シュウ テイ)氏は雨傘運動の元幹部です。
では、雨傘運動とはどのようなものでしょうか?

雨傘運動とは

香港で2014年9月28日から79日間続いた民主化要求デモ。
2017年の香港行政長官選挙をめぐって、中国中央政府が民主派の立候補者を実質的に排除する選挙方法を決定したことに抗議する数万人の学生・市民が銅鑼湾(コーズウェイベイ)・金鐘(アドミラルティ)・旺角(モンコック)などの繁華街を占拠した。
催涙弾催涙スプレーで排除しようとする警察に、デモ参加者が雨傘をさして対抗したことから雨傘運動と呼ばれる。

参照元

 香港の行政長官選挙については以下で説明しています。

seege.hatenablog.com

香港は選挙では自由が制限されています。
香港の首長を決める、長官選は1200人の選挙委員だけが投票権を持っていて選挙委員の構成に民意はほとんど反映されていません。

香港行政長官を中国中央政府の意思で決定しようとしたことが、雨傘運動の起因ということになるかと思います。
リーダーの黄之鋒さん、幹部の周庭さん共に若い感じですが、年齢は2019年現在、共に
22歳です。雨傘運動が起きたのが、2014年9月で約5年前なので、その時は、二人とも17歳だったということですから驚きです。

2018年7月に雨傘運動のドキュメンタリー映画「乱世備忘 僕らの雨傘運動」が公開されています。(黄之鋒さん、周庭さんは出演されていないようですね。)

【予告編】



そしてDVDが2018年12月に発売されています。

乱世備忘 僕らの雨傘運動 [DVD]

乱世備忘 僕らの雨傘運動 [DVD]

 


さて、お二人はどんな人なのでしょうか?

黄之鋒

出生:
 1996年10月13日
出身地:
 香港の旗 英国領香港
職業:
 香港公開大学学生
所属政党:
 香港衆志(デモシスト)

 


幼少期はディスレクシアでしたが父母の教育の下で読み書き能力を改善しました。
また、両親の影響を受け幼少の頃から教会の社会活動に参加していました。
そして、雨傘運動で禁錮2月の判決を受け、2019年6月17日に出所しています。
「香港行政長官に意思決定権はない。中国にこそ問題がある」と主張。

以下は、今回の拘束前に産経新聞のインタビューに答えた時のものです。

--5年前の雨傘運動と今回の抗議運動の違いは

 「今回の反送中(香港から中国本土への容疑者引き渡しを可能にする『逃亡犯条例』改正案の撤回を求める運動)には、リーダーがいない。リーダーがいると、そのリーダーを捕まえれば運動は終わるが、今回はそうではない」

 「雨傘運動の参加者は20万人規模だったが、今回は200万人規模の市民が参加している。比べものにならない。1950年代生まれから、2000年代生まれまで、実に幅広い階層の人々が団結している」

 

--なぜ、これほどの市民が参加するのか

 「香港は現在、高度の自治が失われ、一国二制度ではなく、一・五制度ともいえる状況だからだ。それだけ当局の圧力が強まっている。中国の習近平氏は5年前は国家主席だったが、今や皇帝になってしまった」

 

--香港で中国を直接批判する人は少ないが

 「香港政府のトップである行政長官には決定権がない。決定権をもつ人物を相手にしないと意味がないのは明らかだ。この5年間で中国を直接批判する人は増えてきている」

 

--中国に求めることは何か

 「香港の一国二制度を守ること。日本をはじめ国際社会も中国に要求してほしい。香港の政治と経済については香港人自らが決めなければならない。一国二制度が終わる2047年以降も、港人治港(香港人が香港を統治する)であるべきだと考えている」

 

参照元

 周庭

生年月日:
 1996年12月3日(22歳)
出生地:
 イギリス領香港
出身校:
 香港浸会大学
所属政党:
 香港衆志(デモシスト)

周さんは日本のアニメが好きで、アニメを見て日本語を覚えたという自称「オタク」です。日本語が話せることもあり、日本のテレビにもよく出演されています。
周庭さんは、香港市民は以下の5つの要求を行っていますが、まだ一つも叶っていませんとツイッターで呟いています。
これは、ちゃんと香港の状況を理解して頂きたいという想いからです。

香港市民の5つの要求:

  1. 改正案の完全撤回
  2. 警察と政府の、市民活動を「暴動」とする見解の撤回
  3. デモ参加者の逮捕、起訴の中止
  4. 警察の暴力的制圧の責任追及と外部調査実施
  5. 林鄭月娥の辞任と民主的選挙の実現

以下は、今回の拘束前に産経新聞のインタビューに答えた時のものです。

--今回の抗議運動では平和的なデモがある一方、過激な行動もあるが

 「これまで香港の運動は穏健なものが多かった。確かに穏健な運動は幅広い支持、国際社会の支持を得やすい。でもそれでは政府への圧力が足りない。穏健な方法だけではなく、急進的な方法も必要だと思う」

 

--穏健なグループと急進的なグループは連携しているのか

 「連絡を取り合っているわけではない。一体感をもって、相互に尊重し支持している。今回の運動にはリーダーがいない。だから、どうアレンジすれば最大限の効果を生み出せるのか、みんなで考えている」

 

--雨傘運動との違いは

 「リーダーがいないことのほかに、同じ場所を占拠し続けないという点が違う。私たちは『BE WATER(水のように)』を合言葉に、ある場所に警官隊が来たら、別の場所に移る-といった感じで柔軟に対応している」

 

--香港政府は対話を求めているが

 「林鄭月娥(りんてい・げつが)行政長官は『対話をしよう』と言いながら、警察にデモ隊を激しく攻撃させている。矛盾していて信用できない」

 「香港の自由を制限する動きは年々強まっている。今、闘わないと来年はどうなっているか分からない。雨傘運動のときに怖かったのは逮捕されることだった。今、逮捕されることを恐れてはいない。デモの現場で警官隊の過剰な暴力によって傷つき、殺されることを恐れている」

 

参照元

今の日本で若者が中心となって香港のようなデモ行動を起こすことはまず、ないのでしょう。
デモを起こさない理由は、色々と要因はあるかと思います。
その中で僕が思う大きな要因は、何だかんだと言いながらも多くの人は安定した生活ができているからだと思います。
安定した生活というのは、経済面のことだけではなく、精神面も含めてということです。
水は熱を加えなければ沸騰することはありません。
生活が安定しているということは、熱が加わっていないということなんだと思うんですね。しかし全員が安定しているわけではないので、沸点を超えると、あおり運転だとか、無差別殺人みたいな事件が起きるのではないでしょうか?

デモというのは、同じ想いの方が集まって起きるものです。
しかし、今の日本では同じ想いの人がわずかだからデモにまで発展しないのだと思います。
だから、自分たちの代表である、参議院議員を選ぶ選挙に48.8%の人しか行かないのです。誰がなっても同じだから行かないという意見をよく聞きますが、それは誰がなっても安定した生活は保障されると心の底では信じているからです。

香港では中国政府という巨大な敵がいてその敵が自分たちの自由を奪おうと色々な策略で仕掛けてきます。それは放置しておいても良いというレベルではなく、放置しておけば、確実に自分たちの自由を奪う結果に繋がることになるのです。
何故、確実なのでしょうか?
それは、中国で現在、起きていることを見ているからです。

今の日本も政治への不信は高まっていると思いますが、危機感のレベル的には香港とは比較にならないでしょう。
香港は17歳で抗議活動のリーダーにならないといけない程、危機的状況ということなのだと思います。

そして、周庭氏はツイッターで日本人に対して以下のように訴えています。

香港に関心を持つ、日本の皆様へ

皆さんはすでにメディアを通じて、昨日香港で起きたことを知っているかもしれません。昨日、デモ参加者は立法会に突入し、私たちが現在の制度・政権に対して持っている不満と怒りを、世界に向けて示しました。

ひょっとしたら皆さんは、デモ隊による暴力・破壊行為に特に関心を持っているかもしれません。しかし、この事件について結論を下す前に、これらのことを皆さんに知って頂きたいと思います。

1. この一ヶ月は、香港人にとって長い一ヶ月でした。香港人は署名運動を行い、新聞広告を掲載し、100万人、200万人のデモを行い、私たちの民主と正義に対する強い意志を示し、全ての手を尽くしました。志を同じくする人3名は、自死によって政権による民意の無視に抗議することさえしたのです。

 

2. 昨日のデモに参加した人たちは、皆香港を強く愛し、制度の改革を実現したいと願う香港人です。立法会への突入によって訴えるという手段に出たのは、過去一ヶ月、過去10年、20年にわたって、香港政府と中国共産党政権が香港市民の願いと、私たちの民主に対する訴えを全く尊重しなかったためです。

 

3.香港政府は繰り返し「暴力」との言葉で昨日のデモを形容しています。しかし、香港政府には暴力を譴責する資格は全くありません。6月12日、邪悪な警察が、全く正当性のない暴力行為を、武器を持たない群衆や、記者に対しても行ったことは、全世界が目にしたところです。

警察はデモ隊に対して完全に過度の暴力で応じたのですが、林鄭月娥行政長官は後に警察の「自制と専門性」を称賛しました。6月30日には、親政府派の多くの人たちが、自分と政見の異なる人や記者に対して暴力をふるい、財産を奪いましたが、政府はこれについて一言も非難していません。

 

4. 実際の所、もっとも根本的で、しかし姿の見えない暴力は、とっくに香港に現れていたのです。この二十年余りの間、行政長官が民主的制度で選ばれないだけでなく、立法会も香港人のものではありませんでした。職能別選挙があるために、立法会で市民が直接選べるのは半分の議席に過ぎず、また、職能別選挙の議員が否決権を持つ制度のため、民主や市民生活に有利な議案の多くが廃案になってしまいます。近年は、政府は直接的に気にくわない候補者や議員の資格剥奪を行えるようにすらなりました。香港人の声は、ずっと押し潰されてきたのであり、尊重されたことなどないのです。

 

5. 昨日立法会に突入したデモ参加者は、容赦なく「暴徒」というレッテルを貼られました。しかし、彼らはただやりたい放題に立法会を壊したのではないのです。彼らは立法会の歴史的な文物や、図書館には「壊さないで」との張り紙をし、立法会のレストランには「私たちは泥棒ではない、万引きはしない」と書いて、飲み物を飲んだら代金を置いていったのです。真の「暴徒」であれば、文物を保護などするでしょうか。過酷な環境の中で、これほどの理性を保てるでしょうか。

デモ参加者の目的は人を傷つけることではありません。また、好き勝手に破壊を行うことでもありません。制度の圧迫と不正義を示すことだったのです。

 

6.あるいは、あなたは、意見を表明する方法は色々あるので、立法会に突入する必要はないと言うかもしれません。過去二十年、香港人は全ての方法を尽くしました。一度、また一度と、あきらめずに訴えてきました。しかし、政府はこれを聞いたり、尊重したりしたことがありません。

たとえ三人の若者が自殺しても、政府はこれに反応を示しません。一言の反応もないのです。多くの若者にとって、これは香港の最後の重大な局面です。彼らは自分の命を賭けてまで、真の民主と正義を得たいと考えています。あなたはこのようなデモのやり方に賛同しなくても結構です。

しかし、若者をここまで追い詰め、彼らを死によって訴える行為にまで駆り立てているのは、この恥知らずの殺人政権なのです。

 

7. 実際、暴徒はいません。あるのは暴政だけです。巨大な権力と巨額の財政を手にした政府は、強大な国家のマシーンを使って人々の体を傷つけ、人々の意志を抑えつけます。たしかに、デモ参加者は暴力を使いました。建築物を壊しもしました。

しかし、政権が行った破壊は、さらに修復させることのできないものです。彼らは香港の制度と価値、さらに若者の命を破壊しているのです。

 

8. 村上春樹さんの言葉は、香港人にとって意義深いものです。「高くて硬い壁と、壁にぶつかって割れてしまう卵があるときには、私は常に卵の側に立つ」。権力者に対して寛容を示さないで下さい。そして、圧迫されている力なき者に対して、過酷な責めを負わせないで下さい。

私たちは人として生まれた以上、基本的な尊厳を与えられるべきです。香港人は、この尊厳のために戦っているのです。

 

9. 私たち香港人は、昨日の出来事を経て、香港人であることをさらに誇りに思っています。今後も、私たちは勇気と、誠実さと、愛を持って、香港のために戦います。

命をかけて訴えているデモ隊、そしてデモ隊の声を聞こうとしない香港政府、その声を潰そうとする中国政府がいます。

国もデモ隊も力を持っています。
しかし、共にその力を暴力に変えてしまっています。
暴力で抑えつけようとしても信念は抑圧できないのです。
暴力は負の力なので怒りや憎しみといった負の感情しか生まれません。
では正の力とは何でしょう?
非暴力だと僕は思います。
根気強く、何度でも「言論」で自分たちの信念を主張することだと思います。
周庭さんは、「全ての手を尽くしました」と述べていますが、僕は全ての手なんて出し尽くせるものではないと思っています。
なぜなら、全ての手が出し尽くせるなら、技術の進化なんて直ぐに止まってしまいます。しかし今なお技術は進化しています。それは全ての手を出し尽くしていないからです。

自分たちが暴力では変わらないと思っているなら、相手を変えようとするのに暴力を使わないでください。

非暴力こそが唯一、解決の方向に導いてくれる力ではないでしょうか?

 

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